「Paper Wait !」効率よく制作をすることを本気で考えた作品

Paper Wait ! ペーパーウェイト

4年前に制作した「Paper Wait !」という作品です。

真鍮の丸棒を旋盤で削りだしてパーツを作り、そのパーツをロー付けでくっつけて制作した作品です。
形ができた後にサンドブラストで細かいキズを消して、最後にニッケルメッキをかけました。

効率よく制作することを意識して、短期間で仕上げた作品です。

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「Paper Wait !」

ペーパーウェイト

「Paper Wait !」はその名前の通り、ペーパーウェイトとして使うことができる作品です。
紙が飛んでいかないように「wait!」と必死で抑えている謎の生き物をテーマに制作しました。

素材は無垢の真鍮でできているので、指で摘んで持つくらいの大きさですが、それでもずっしりとした重みを感じます。

制作の効率化の重要性

この作品は芸大のアートプラザで行われた展示会「彫金の風景」という彫金研究室の教員による展示のために制作しました。

芸大の大学院を卒業してから、助手になって働き始めると、学生時代のようになかなか制作の時間がとれずに非常に歯がゆい思いをしたことを記憶しています。
特に助手の一年目は慣れない雑用などの仕事が多く、作品を作るために時間を割り当てるのは当時の僕には無理でした。

そこで学生時代にあまり考えたことがなかった、いかにして簡単でかつ作品にボリュームを持たすことができるかということを意識し始めたのも、この作品を作っていた頃です。
効率よく、少ない時間を有効に活用することが、卒業後もアーティストとしての活動を続けていくためには必要不可欠だということを実感しました。
Paper Wait ! ペーパーウェイト
「Paper Wait !」は制作の時間的なコストを削減するという意味で非常に上手く行った作品なのではないかと思います。

旋盤などの工作機械を有効に活用して、作業を効率化したおかげで全部で10個の「Paper Wait !」を1週間ほどで仕上げることが出来ました。
これは学生時代にはなかったスピードです。

効率よく作業を進めることだけが、アート作品を作るために必要なことではないですが、アーティストとしての活動を続けていくためには間違いなく重要なことです。

この作品を必死に作った経験のおかげで、その後も助手として働きながらも何とか作品制作の時間を捻出できるようになってきました。

学生時代も課題提出のために頑張って制作したものですが、卒業後は制作する時間が圧倒的に減ったので、より真剣に作品制作の効率化を考えるようになりました。

まとめ

「Paper Wait !」はダジャレ的に名前を考えてしまった作品シリーズの一つです。
ペーパーウェイトという用途を持つ、クラフト的な要素のある作品です。

思えば、「Paper Wait !」は大学卒業後にまともに作ることが出来た、最初の作品だったと思います。
それだけ、当時の僕には余裕がなかった…ということなのだと思います。
大学を出ると自由な時間が減るということをものすごく実感しました。

僕は学生時代は制作スピードがかなり早い方でしたが、そんな僕でも大学卒業後はいろんなことがなかなか上手くいかなくて歯がゆい思いをしました。

現在は、この頃とは状況が変わってかなり自分の時間が取れる環境にあります。
なので、じっくりと制作に取り組んでいますが、この頃の気持ちは忘れずに今後も制作を頑張って行きたいと思っています。

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