「つながりたい脳」心と肉体の距離の関係性

つながりたい脳

約3年前に制作した「つながりたい脳」というタイトルの作品について書いていきたいと思います。

この作品は人と人との距離感をテーマに制作した作品です。

人と人は近くに居るということで、お互いの気持ちもシナプスがつながっていくようにつながっていきます。
その様子は、まるで無意識のうちに人との関係性を求めているかのように広がっていきます。

しかし、その関係性は良い関係性であるとは限りません。

「つながりたい脳」

素材は木材と銅線

「つながりたい脳」は木の塊を削りだして制作しました。
つながりたい脳
非常に硬いウォルナットなどの木を削って、脳みそのような謎の生物を表現しました。

「つながりたい脳」は全部で5体、制作しました。
それらを近くに配置することで、脳をモチーフにした生物からシナプスのような神経細胞が伸びていき、お互いにつながっていくかのように見えます。

シナプスに当たる部分は銅の丸線をロー付けして作りました。

自分と他人との関係性

社会に属している以上、他人との関わりなしでは人間は生きてはいけません。

他人との関係性は自分との距離感によって決定するはずです。

例えば、職場の同僚や上司であれば仕事場に行く度に出会ってコミュニケーションをとりながら業務を行うので、必然的に蜜月な関係性となります。
自分の家族であれば毎日の寝食を共にするので、これも非常に近い存在です。

このように実際の距離と関係性は近くなればなるほど強くなっていくと言えます。

ここで言う関係性とは、人と人の心のつながりのことです。
毎日の職場や家庭での仕事や作業を一緒に行うことで、信頼感や連帯感が生まれてくるはずです。
そしてそれは行動をともにする時間が長ければ長いほど、心の距離感が近くなっていく、と言うことが出来ます。

つながりたい脳
しかし、その関係性は良いものばかりとは限りません。

職場で一緒に働いている上司や同僚であってもウマが合わない人は必ずいます。
自分の家族で、一緒に住んでいても仲良く出来ないこともあるかもしれません。

自分と他人は、実際の距離が近いと関係性も同時に強くなるのは避けることの出来ない事実です。
でも、それが良好な関係性であるとは限らないということです。

しかし、いくら仲が悪くても、その人との関係性が希薄になったりということではありません。
気持ちの面でお互いが合わなくても、心と心はある意味でつながってしまうのです。

自分と自分が関わる人の気持ちだけで行動を決めることができるとは限らないのが、社会に属するということです。
つながりたい脳
「つながりたい脳」は近くに並べて配置すると、まるでシナプスがつながっていくかのように見えます。
それは、人と人の心の距離感を表したものです。

肉体的な距離が近づくことで、心もつながりが出来るという様子を表現しました。

心と身体は繋がっていると言う話がありますが、「つながりたい脳」はそんな「心と肉体の距離の関係性」を表現した作品です。

まとめ

「つながりたい脳」はこの作品を作った当時、他人との関係がうまくいくとは限らないのだということを実感して、作ろうと思った作品です。

普通に生活しているだけでも、気が合う仲間とだけ関わっていればやっていけるわけではないのです。
人間が人間の社会でうまくやっていくには、自分とうまくいかない人とも関わっていくことが必要です。
他人同士でつながり合っていくことで、僕たちは生きていくことができるのです。

そして、そんな良好ではない人間関係であっても、心の距離感は近いものであるということにも気づきました。
いや、実際に毎日のように顔を合わせていたら近くなってしまうのです。
それがネガティブな関係性であるかどうかは関係ないのです。

人間は無意識のうちに他人との関係性を求めているのかもしれません。
「つながりたい脳」は実際の距離が近づくことで、シナプスがつながっていくように人間同士の関係性も繋がっていくことを表現した作品です。

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