人間というのは、誰一人として全く同じ人間はいません。
当然ですが、人によって向いているもの、向いていないものというのが必ずあります。
これは仕事をする上でも関係してくることです。
例えば、一生続けるような仕事であるのならば、自分に向いている仕事というものを選ぶべきです。
でも、長い人生の中では一度くらいは、自分にとって苦手な仕事というものをやってみるのは、経験として重要なことです。
狭かった自分自身の価値観を広げて、物事をより多角的に見ることができるようになるかもしれません。
向いていない仕事をするということも大事なこと
学生時代にバイトをしておいて良かった
最近よく思うのは、学生時代にバイトをしておいて良かったということです。
僕はもともとはすごく人見知りで、どちらかと言うと他人と上手く接することができないタイプの人間です。
まあ、今はかなりマシになったと自分では思っています。
故に、僕の得意な業種と言うのは、職人的にコツコツと地道に作業を続けるような仕事だと思っています。
だから、今でも作品を作り続けているわけなのですけどね。
でも、僕が学生時代のある時に始めたのは「ラーメン屋」でのアルバイトでした。
それも、人気のラーメン店である「博多一風堂」というお店です。
人通りの多い東京にあるお店でかつ、人気店ですから常に行列ができていて、ものすごく忙しかったということを今でもよく覚えています。
今にして思えば、この「一風堂」でのバイト経験と言うのは、僕の中ではある意味で、転機になったとも言えるくらい重要なことでした。
もちろん、始めた当初は軽い気持ちで始めた仕事だったわけなのですけどね。
ホールの仕事が苦手だった
やってみてすごく実感したのですが、僕は飲食業という職種には全く向いていません。
特にホールの仕事は苦手中の苦手です。
ホールというのは、お客さんが来たら席まで案内して、注文をとって、ラーメンを運んだりとか、お会計をしたりとか、片付けをしたりとか、やることがいっぱいで、すごく大変なポジションです。
ホールでの仕事というのは、常にいろんな事に気を配らなくてはなりません。
ラーメンをお客さんの元に運ぶときも、ずっと入り口を気にして、お客さんが来たり、呼ばれたりしたらすぐに対応する必要があります。
それが僕にとってはとても難しいことだったのです。
飲食店で女性がホールの仕事をしていることが多いのは、いろんなことに同時に気を回すことができるために向いているからなのでしょうね。
どちらかと言うと、厨房内での仕事の方が僕には合っていました。
ラーメンを作ったり、餃子を焼いたり、洗い物をしたりするようなポジションは体力的にはハードです。
でも、いわゆる職人的な仕事だったので好きだし、技術的な上達も早かったです。
このバイトをやっていた1年の間、何度もホールでの仕事を経験しましたが、最後まで完璧にこなすことは出来ませんでした。
慣れて、緊張とかはほとんどしないで仕事をすることができるようになったので、成長はすることができたのではないかと思っています。
今ならなんでもできる気がする
一風堂のバイトを始めた当初は、僕は本当に仕事できない人でした。
次から次へと押し寄せる仕事と、お客さんが待っているというプレッシャーは、やっぱり苦手です。
今でも、たまにこのバイトをしていた頃の事を夢で見たりします。
でも、良かったこともあります。
この経験を乗り越えたことで、自分は「何でもできる」気がするという自信がついたということです。
最初はものすごく苦手だったラーメン屋さんでの仕事も、毎週働いたことで慣れていき、しっかりと仕事をこなせるようになりました。
どんなに苦手なことでも続けることによって、人並みにこなすことができるようになるということがわかったのは、大きな収穫でした。
また、他人との接し方も変化がありました。
一風堂はラーメン屋ですが、システム的にお客さんと店員が接する機会が多いです。
食券を買うのではなく、注文は店員が口頭で聞くし、麺の硬さも多くの種類から選択しなくてはならないし、替え玉もあるので必然的に店員の対応がお店に評価に直結してくるのです。
故に、店員は大変ですが、店員が頑張ればその分だけお客さんに喜んでもらえるのです。
相変わらず苦手ではありますが、ずいぶんと良い感じにいろんな人と接することができるようになったという気がしています。
今は、仕事関係で初めて会うような人と話すときも、なるべく笑顔で、冷静にその人を観察しながら会話をすることが出来ます。
もちろん、完璧ではないですけどね。
以前はそういう時、余裕がない感じになってしまっていたので「成長したなあ自分」と思ったりします。
いろんな場面で、物事を考える時の幅が広がりました。
これは、このバイトをしていなかったら身に付けることが出来なかったことです。
多少の精神的なプレッシャーの中にさらされたとしても、心に余裕を持って対応できることは素晴らしいことです。
とある能力に特化することも大事だけどバランスも大事
人には得手不得手というものが必ず存在しています。
これはしかたのないことです。
でも、この得意不得意というものを、ある程度解消することは大事なことだと思うのです。
不安定なこのご時世ですから、なんでもできるのならば、それに越したことはないです。
もちろん、一つの技能や能力に特化するのも良いことではあります。
しかし、それでは何かがあった時に対処しにくいのではないでしょうか。
大きな企業で働いているときは、一つのことだけやっていれば給料をもらえますが、もしも小さい会社に就職したり、独立して一人でやっていくとなったならば、いろいろなことが出来ないとやっていくことは出来ません。
ゲームに例えると、武器で戦うことしか出来ない戦士や、攻撃魔法しか使えない魔法使いに比べると、勇者はなんでもできるのでいろいろと活躍できる機会が多いということです。
ある程度、器用になんでもできる方が使いやすいキャラクターだというのは事実です。
現実世界で、バランスよくなんでもできる人というのは少ないと思います。
しかし、だからこそ、そういう勇者的な人は社会で活躍することができる機会も多いはずです。
苦手な仕事をする意味
苦手な能力を伸ばすためには、苦手な仕事するのが一番手っ取り早いです。
もちろん、社会人になってからでは、そのような仕事を急に始めることは出来ないですから、学生の間に経験しておくのがベストです。
僕はラーメン屋「博多一風堂」という有名ラーメン店で働いたことで、自分の能力パラメーターの中で特に低かった部分がちょっとだけ補完されました。
本当に、学生のうちに自分にとって難しい仕事をしていおいてよかったと思います。
もしも、今後何かあって進退窮まったとしても、今ならどんな環境でも生きていけそうな自信をつけることができました。
今からでも遅くはない
僕がこのブログを始めた理由の一つは、自分の中での「文章が苦手」というコンプレックスを解消する、というものでした。
つまり、このブログも苦手なものを何とかしようと思って続けているという側面があったりするのです。
苦手な仕事をすぐに始めることはなかなか出来ないかもしれませんが、ブログや他の趣味などなら気軽に始められるものがあるかもしれません。
パソコンが苦手という人は、ネットゲームやFacebookとかを始めてみると、新しい何かが見えてくるかもしれません。
別に難しい事ではありません。
ちょっと、勇気を出して一歩を踏み出すことが重要なのです。
そういう意味では、自分の苦手分野を鍛えることができる「何か」と言うのは、意外と世の中に存在しているものです。
もしも、本当に自分の苦手なものを何とかしたいと思うのならば、今からでも遅くはありません。
何かを新しく始めることで、自分の生活や価値観に刺激を与えることができるかもしれませんよ。
まとめ
最近、ネットを眺めていると、ブラック企業だとかやニートやひきこもりなどの、非常に難しい社会的な問題を目にする機会が多いです。
これは、人それぞれの複雑な事情もあるし、自分自身にもいつ降りかかってもおかしくない問題だと思います。
でも、そんな時に思うのが、そう言う問題に直面した時にどんなところでも生きていけるだけの能力を身につけておくということが大事だということです。
ある特定の能力のみを鍛えておくのではなく、いろんなことができる方が良い仕事を得ることが出来る機会に恵まれやすいはずです。
僕は接客や、一度に多くの事を同時に気にかけるという能力が、以前は全くと言って良いほどありませんでした。
そんな僕にとって、飲食店で働いたという経験は非常に有意義なものでした。
おかげでその後、他の仕事をする上でも、この時のバイト経験が役立つ時が多いです。
人によっては、接客は得意だけれど、職人的な手仕事は苦手という人もいるかもしれませんね。
年をとってから自分の修行のために苦手な仕事をするのは、色んな意味で難しいです。
時間的にも体力的にも余裕のある若いうちに、自分の苦手な仕事を一度くらいは経験しておくというのは、良いことだと思います。
また、僕のように30代になってからブログを始めたりとか、仕事以外で新しいことを始めることでも、何か自分を変えることができるきっかけとなるかもしれません。
バランスよくなんでもできるようになることで、将来的に職にあぶれたり、自分のやりたいことが出来なかったり、ということが少なくなるのではないでしょうか。
苦手な仕事を、人生の中で一度くらいはやっておくことで、自分の人生に幅を持たせることができるようになると思います。