ついに待ちに待った2年ぶりのハンターハンターの連載が再開されました。
楽しみにしすぎて、早起きして6時半位に近所のコンビニに行って、今日発売のジャンプを買ってきてしまいました。
連載再開の記念すべき第341話目のタイトルは「厄災」。
それは、かつての暗黒大陸探検によって持ち帰ってしまった数多くの厄災にちなんだものでした。
というか、久しぶりの連載再開だったにも関わらず、いろんな超展開がありすぎて内容を理解するのに精一杯でした。
面白すぎます。
終始、わくわくしながら久しぶりのハンターハンターを読み進めていきました。
その中で気づいたこともいくつかあったので、感想と一緒に書いてみたいと思います。
ネタバレをしてしまっている部分もあるかと思いますので、是非ジャンプに載っているハンターハンターを読んでから、以下の文章を読んでいただければと思います。
特別渡航課(トッコー)
「No.341 厄災」は「特別渡航課(トッコー)」を束ねる「特務課」のシーンから始まります。
そこには、かつての新世界探検の際に持ち帰ってしまった「厄災」が保存されていました。
縄状になった人間、自給自足で50年近く生きている元ハンターの成れの果て。
その他、多くの不可解な元人間だったモノ。
このような、恐ろしい災いが降りかかってしまうリスクがあるというのならば、V5が暗黒大陸への渡航を制限(実質的には禁止)しているのもうなずけることです。
カキンはそのような恐ろしい暗黒大陸への探検と植民を行おうとしているのだから、トッコーの立場からするととんでもない話だと言うわけです。
縄状の人間だったもの
ここで、一つ気になったのが「縄状になった人間だったもの」です。
これは、暗黒大陸への渡航者ではなく、その知人や縁故のつながりがある人がそうなってしまったのだということです。
「突然目の前でひとりでに捻れた」という目撃証言から、新世界への関わりを持つことでこちらの世界でも何が起こってもおかしくないことを示唆しているように考えられます。
そして、この話を読みながら、この現象に似ていると思ったのが、アルカ(ナニカ)の能力です。
アルカの能力は条件を満たすと(おねだりを断ると)その本人だけでなく、その最愛の人や長く時間を共に過ごした人間が”荒縄状”になった、という記述がありました。
これは「突然目の前でひとりでに捻れた」という目撃証言とも完全に合致します。
かつての大陸の探検中に、探検隊の誰かが暗黒大陸の”何か”の条件を満たしてしまったから、「こちらの世界」でもそのような異常な現象が起こったと考えれば不自然ではありません。
また、シルバがコミックスの第30巻22ページで「あれは別の何処かから来た闇(なにか)だ」と言っているシーンがあります。
このセリフはシルバが”別の何処か”というのが暗黒大陸のことを言っていたのかは不明ですが、実際に何らかの原因でアルカに暗黒大陸の何か(ナニカ)が宿ってしまったのかもしれません。
この、縄状になってしまった人間達は、アルカ(ナニカ)の存在の謎についての鍵になってきそうな予感がします。
自給自足で約50年生きているゾバエ病患者
特務課の施設の唯一の生存者である、「ゾバエ病」患者の元ハンター。
この元ハンターは自給自足で50年以上生きているということが書かれています。
どんな食べ物を自給自足しているかはわかりませんが、341話の最後のページにゾバエ病の名前とともに彼が「ジュルジュル」と何かをすすっているような描写がされています。
今の時点では、これが何なのか全くわかりませんが、とりあえずめちゃくちゃ怖いです。
このゾバエ病のことが詳しく書かれているのは「ビヨンドレポート」という資料なのだそうです。
ここでひとつわかることはネテロ元会長の息子である「ビヨンド=ネテロ」は約50年も前にこのゾバエ病患者のハンターと共に新世界への探検に赴いたということです。
ということはビヨンドさんは何歳?ということも気になりますが、思ったよりも近年にも新世界への探検が行われていたということです。
V5との不可侵条約の締結が200年以上前だということだったので、これはここで初めて明かされる事実ですね。
ネテロ元会長が遺したDVDの内容
ビヨンドに与えた枷とは
「息子」が現れたら十二支ん全員で見て欲しいというDVDで、ネテロ元会長も新世界へ2度だけ行ったことがあると語られています
それによると、新世界探検に敗走したビヨンドは再挑戦を望んだけれども、ネテロ元会長は自分がいなくなるまでは「許可せぬ枷」を与えたそうです。
その「枷」とは具体的に何なのかはわかりません。
もしかしたら、天空闘技場編でウイングがゴンの小指に巻いた念字の書かれた糸のように、条件を満たさないと新世界へ挑戦することが出来ないなどの制約を与えるものだったのかもしれません。
ネテロ元会長が、今まで息子の存在をなかったことであるかのように振る舞ってきたということからも、ビヨンドに何か特別な「枷」を施した可能性があることを予想することが出来ます。
暗黒大陸探検を成功させるという指令
そして、DVDの本題は「息子よりも先に暗黒大陸探検を成功に導いて欲しい」という内容でした。
冒頭の特務課の施設の様子と、最後の暗黒大陸の厄災についての描写から、これは非常に危険な行為であるということが感じ取れるはずです。
これらの要素から読み取れるのは、ネテロ元会長はこのDVDは自分がこの世からいなくなってから見ることを計算していたということです。
そうでないとビヨンドが公の場に姿を現して暗黒大陸への進出を宣言することは無いはずですからね。
自分がいなくなったらすぐにビヨンドが行動を起こすはずだと計算してこのDVDを遺したというわけです。
だから「鬼籍に入った老いぼれの儚い夢と思ってくれ…」なんてことを言っているわけです。
つまり、ここまでの流れは全てネテロ元会長の思惑通り運ばれているということです。
この世からいなくなっても、絶妙のタイミングで姿を現しちゃうネテロ元会長はやっぱりすごい人だったということですね。
DVDの指令とV5の特命
ここで、問題になるのがネテロ元会長のDVDの指令と、V5からの「ビヨンド=ネテロを狩(ハント)せよ…!!」という特命のどちらを優先すべきなのか、もしくは片方だけ行うのか、はたまた両方とも実行しないのか、ということです。
サイユウやカンザイが言うにはビヨンドのハントには反対なのだそうです。
暗黒大陸への進出をするのならば競争相手の足を引っ張るような行為は嫌なのだということ。
それに対するのは、ビヨンドの新大陸への挑戦と準備が何十年も前から行われていたはずであることから、全く準備の無い自分たちとはフェアではないというゲルの主張です。
故にビヨンドの邪魔(ハント)を積極的に行うことはハンデのようなもので、問題無いという意見です。
そして、ボトバイが言うのは元会長とV5の両方の指令を行うことは、矛盾している点が無いから両方共行うべきだという冷静な意見。
その言葉を受けてミザイストムが反論するのは、そもそも特命を出したV5自体が正しいのかをしっかり検証するべきだという慎重な意見。
どの意見も的を得ているようにも思えて、話し合いが白熱してきたところで、驚きの展開になります。
ビヨンド=ネテロ
まさかのビヨンド登場
意見の相違から、討論している十二支んの前に突如として現れたビヨンド。
ここでまさかの超展開です。
さすがは冨樫先生です。
全く先が読めません。
「久し振りだなビーンズ」と言いながらあらわれたビヨンドは一体何が目的なのでしょうか?
というかビーンズも何歳なんでしょうか?
ビーンズさん年齢不詳キャラすぎです。
また、この中でビーンズだけはビヨンドの存在を知っていたということがここで初めてわかります。
「ギブアンドテイクと行こうぜ?」という言葉と「ビヨンド=ネテロを捕えた」とV5に連絡してくれと言い放つビヨンドの狙いはなんなのでしょうか?
ビヨンドの目的について考えてみる
突然、敵対関係にあるはずの十二支んの前に現れたビヨンドの目的が何なのか考えてみたいと思います。
十二支んが抱えている問題は2つ。
- 暗黒大陸の探検の成功
- ビヨンドのハント
この2つです。
ビヨンドはこの2つの問題に対して「ギブアンドテイク」と言っていると考えられます。
つまり、この状況の中で双方にメリットがある提案、または取引をしようと言っているわけです。
また、ビヨンドはコミックス32巻の最後辺りで、来るものは拒まないが邪魔するものはぶっ潰す!ということを言っています。
故に、ビヨンドは暗黒大陸の探検に必要な優秀な人材の調達と、邪魔が入ることなく暗黒大陸の探検を成功させたいという2つのことを望んでいるはずです。
それらの要素から考えて予想してみたのは、「一緒に新世界を探検しよう」と提案しに来たのではないかということです。
捕えた(一緒にいる)という状況で「ビヨンドを捕えた」と連絡すれば、一応V5からの特命はクリアしたことになります。
特命の内容は「狩(ハント)」することで始末することではありませんからね。
ビヨンド本人がわざわざ出向いたのは、そのためなのではないでしょうか。
また、それは「一時的に目の前に現れた」だけでは「捕えた」ということには出来ないので、暗黒大陸への探検も行動を共にする必要があるはずです。
そして、そうすることによってビヨンドは邪魔されることがなくなり、優秀な人材が手に入るので、ビヨンド側にもメリットがあるというわけです。
また、十二支んとしてもV5からの特命を(名目上は)クリアしつつ、暗黒大陸への探検も同時に行うことができるという一石二鳥な条件だということです。
一応筋は通っていると思います。
たぶん違うけど。
十二支んは意見が食い違って討論をしている様子があることからも分かるように一枚岩ではありません。
それを一つにまとめていたのはネテロ元会長の存在があったからであるはずです。
ジンやパリストンもネテロ会長がいなくなった途端に十二支んを脱退してしまいました。
そんな状況で、ネテロ会長の面影のあるビヨンドが目の前に現れたらどうなるのか?ということも今後の物語の鍵になってきそうです。
どちらにしても来週が楽しみです。
5大厄災
341話目の最後のページは人類が暗黒大陸から持ち帰った「5大厄災」というものについて書かれて締めくくられています。
まだ、僕達読者はその名称だけしか知ることは出来ませんが、とにかく恐ろしさだけが伝わってくるようなページです。
暗黒大陸由来のものといえば、今までの物語の中でもいくつか登場してきています。
キメラ=アント編の女王も外来種であることが言われているし、魔獣も元々は暗黒大陸から来たものなのだそうです。
例えば「闇のソナタ」などの未回収の伏線も暗黒大陸に存在しているのかもしれませんね。
この、「5大厄災」の詳細はまだ不明ですが、今までの物語の中で実は関係していたりするのかもしれません。
そう考えると、伏線だと思っていなかったものが実は伏線だったということが判明したりすることが今後もあるかもしれませんね。
まとめ
久しぶりのハンターハンターの新しいお話でしたが、たった1話分のページ数なのに、とてつもなく内容が濃くて楽しく読ませていただきました。
これからしばらくは毎週、これが読めると思うとワクワクしますね。
またもや、新しい要素や5大厄災などの固有名詞がたくさん登場しましたが、それらが今後どのように物語に関係してくるのか非常に楽しみです。
いつも、僕はハンターハンターを読むときは、今後の展開を予想しながら読んでみたりするのですが、予想外の展開ばかりで良い意味で予想を裏切ってくれます。
大抵見当外れのことを考えていたりするわけですが、いろいろ妄想が膨らむからこそ、予想外のことが起こった時に楽しさも倍増するのです。
だからこそ、いつも次の話が楽しみで2年とかの長い期間の休載があったとしても、待つことができるわけなのですけどね。
最後、気になったのは冨樫先生の巻末のコメント。
「大分ガタが来ている」ということが書いてあり、ちょっと心配です。
是非、無理をしないで身体に気をつけていただきたいと思いました。
UPしました→「No.342 布告」の感想と考察