【制作風景】再生医療への願いを込めて「iPSパーツ〜手」コンセプトと次の作品

「iPSパーツ〜手」

一昨日、やっと作品が一つ完成しました。
ちゃんとした撮影環境ではないですが、記念に作品の写真を何枚か撮ってみました。

「iPSパーツ〜手」
作品のタイトルは「iPSパーツ〜手」というものに決めました。

電子パーツである「抵抗」をひたすらハンダ付けして立体作品に仕上げました。
使用した抵抗の数はおよそ3500個です。

模型をいくつか作って実験しながら手探りで制作を続けてきましたが、何とか形になって良かったです。

最近の作品制作&再生医療をテーマにした作品

iPS細胞と再生医療への期待を込めた作品

「iPSパーツ〜手」
「iPSパーツ」というタイトルは、現在盛んに研究が行われているiPS細胞と再生医療にちなんで考えたものです。

この作品を構成している部品である「電子パーツ」と、人体を構成する最小単位である「細胞」、この2つの価値を比較して考える、ということをコンセプトに制作しました。

「iPSパーツ」に使われている「抵抗」などの電子パーツは工場でいくらでも作ることが出来ますが、人体を構成する最小単位である細胞は今の技術では簡単には作ることが出来ません。
現段階では、移植が必要な大きな病気やケガをしても、治療するには非常に多くの困難を乗り越える必要があります。

インターネットで最近知ったのですが、去年イギリスで世界初の手の移植に成功したというニュースがありました。
たしか、マンガのブラックジャックでも事故で動かなくなった手を移植した寿司職人の話がありました。
現実でも義手ではなく他人の手を移植するというフィクションのようなことができるようになったということですね。
イギリスで移植された手の元の持ち主は発表されていなくて、不明だそうです。

移植医療の最大の問題点は、ドナーから臓器などの体の一部分を提供してもらわなくてはならないという点です。

ドナーとなる人は生体移植を除いて、脳死の判定を受けて、さらに家族や本人の同意があって、初めて移植の提供者となることが出来ます。
しかし、ドナーの家族の気持ちを考えると臓器を提供してもらうというのは、非常に難しいと言わざるを得ません。
移植を受けたくて待機している患者の数に対して、ドナーの数は圧倒的に少ないというのが現状です。

また、たとえ運良く移植を受けることが出来たとしても、拒絶反応の問題があります。
医療技術や拒絶反応を抑える薬の進歩により移植を受けた患者の予後はかつてよりも改善されてきていますが、運が悪いと拒絶反応が原因となって命を落とすこともあります。
「iPSパーツ〜手」

これらの多くの問題を解決し、様々なことを可能にする技術として注目されているのが再生医療です。
再生医療は患者の細胞を培養して、増やした細胞をその患者の悪い部分に移植するという治療技術です。

そんな再生医療の技術の中で、最も注目を集めて話題になっているのがiPS細胞です。
iPS細胞とは多くの種類の細胞に分化して培養することが可能な細胞で、将来的には臓器そのものを作り出すことも可能になると言われています。
再生医療が発達すれば人体のどんな部位でも培養して移植することが可能になるでしょう。

本人の細胞を使用するので、拒絶反応の問題もありません。

将来的には、あらゆる細胞が電子パーツのように工場で量産できる時代が来るかもしれません。

それは、再生医療を心待ちにしている難病患者やその家族にとっては夢の様なことです。
まるでSF映画のような世界の話ですが、それが不可能ではないと思えるようになってきたのではないでしょうか。
一刻も早くそんな夢の様な時代が訪れることを願っています。
「iPSパーツ〜手」
しかし、その時代が訪れた時、人体のパーツの価値、ひいては命の価値はどのように変化しているのでしょう?
もしかしたら、車のタイヤを交換するような感覚で、体の一部分を交換できるようになるかもしれません。

それが良いことなのか悪いことなのかは僕にはわかりません。
しかし、体の健康や命の価値が現代とは全く違うものになっているのは間違いないでしょう。

人体のパーツが電子パーツのように生産されて消費されるようになっても、僕たちは命の大切さというものを忘れてはいけないと思います。

今一度、その意味について、僕たちは考える必要があるのではないでしょうか。
「iPSパーツ〜手」

次に作る作品

やっと、一つ作品が完成したのですが、早速次の作品にとりかかっています。
これからもしばらくは「iPSパーツ」というシリーズで人体の部位をモチーフにして、いくつか制作してみたいと思っています。

次に作るのはこれです。
頭蓋骨 マケット
頭蓋骨です。
とりあえず、油粘土で模型を制作して、それを見ながら立体的にハンダ付けをしていきます。

頭蓋骨は人間のアイデンティティの象徴でもある「顔」の土台になる部分です。
未来の世界では、頭蓋骨ごとすげ替えてしまう美容整形手術なんてものが現れるかも・・と思って作ることにしました。

そんなことが普通に行われる世界になったら、ますます人体の価値というものがよくわからなくなってきますね。

0Ωの抵抗をハンダ付けしていく

使用するのは0Ωの抵抗です。
秋葉原の電子パーツ屋さんで選んでいろいろ買った中に、この0Ωの抵抗がありました。

よく考えたら0Ωの抵抗って意味ないじゃん!と思ったのですが、調べてみるとジャンパ線の代わりに使ったり、配線の間違いをなくすために使うことがあるそうで、需要はあるみたいです。
0Ω抵抗
0Ωの抵抗を選んだのは模様と色が骨っぽい気がしたからです。
抵抗は種類によって模様が違うので電子パーツ屋さんで眺めているとおもしろいです。
ハンダ付け 道具
0Ω抵抗
0Ω抵抗
抵抗の足を、やっとこで一つ一つ折り曲げて、ニッパで余分な部分を切りとっていきます。
0Ω抵抗
こうして作ったパーツを地道にハンダ付けしていきます。
立体的に抵抗をハンダ付け
立体的に抵抗をハンダ付け
これでやっと150個くらいハンダ付けしたかなと思います。

今、この0Ωの抵抗は手元に1000個くらいあるのですが、それでは足りないので、追加で10000個ほど注文して今日届く予定です。

また、気が遠くなるような作業が始まりそうです。

まとめ

「iPSパーツ」は再生医療の発展を願って名づけた作品タイトルです。
実際に、難病に苦しんでいる患者さんやその家族のためにも早く実用化されると良いですね。

僕には再生医療に対しては特別な思いがあります。
ここではまだあまり詳しくは書きませんが、本当にわらにもすがる思いで再生医療というものに望みを託したかった出来事がありました。
結局、それは現代の技術ではかなわなかったのですが、今でも何とかならなかったのかと自問自答しています。

そんな思いと経緯があって、この作品を作ることに決めました。

「iPSパーツ」を作るためにはものすごい量のハンダ付けをする必要があります。
作り始めている、ほぼ実寸大の頭蓋骨を完成させるのにどれくらいの数の抵抗を使用するのか検討が付きません。
なので、ちょっと多めかもしれないですが、10000個もの抵抗を注文しました。

0Ωの抵抗を注文して、その日のうちに送ってくれた秋葉原の電子パーツ屋さんは「この人は何を作るつもりなんだろう?」と思っているかもしれませんね。

以上が最近の制作の進捗状況です。

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