先週は休載となっていたハンターハンターが今週は掲載されていたので、ジャンプを買って読みました。
前回は十二支んに紛れ込んでいる内通者がサイユウだったということが判明して、非常に続きが気になる終わり方をしていましたね。
今週、349話のタイトルは「蠱毒(こどく)」です。
このタイトルはカキンの王子たちの王位継承に絡んだ話が、今回の主題となっていることを表しています。
しかし、まあなんというか、カキンの王子はこんなにも濃そうなキャラクターが揃っていたのですね。
新大陸(仮)への船旅もいろいろと大変なことになりそうですね。
カキンの王位継承のための儀式
蠱毒
今回のタイトルである「蠱毒」と言うのは古代中国で行われていた、虫を使った呪いの儀式の事を言います。
Wikipediaに書かれている一部を引用させていただくと、
「器の中に多数の虫を入れて互いに食い合わせ、最後に生き残った最も生命力の強い一匹を用いて呪いをする」
…と、書かれています。
具体的には、壺の中に虫をたくさん入れてしばらく置いておくと、密閉空間に閉じ込められた虫達は共食いを始めます。
壺の中は他に食料などがないから当然ですよね。
さらに置いておくと、たくさんの虫の中から最も強い一匹だけが生きているというわけです。
そして生き残った1匹の虫を使って呪術の道具とするというものです。
なんとも残酷な儀式ですが、今回の話を読む限り、これは今回のカキン帝国の王位継承の儀式そのものを表しているように思えます。
つまり、この場合の虫を入れる壺は、新大陸(仮)を目指す船である「B・W(ブラックホエール)号」のことです。
その、海を渡る途中の巨大船の上という、密閉空間の中で、人間を使った蠱毒の儀式を行う、と言うわけです。
これは、非常に非人道的なものです。
しかし、カキンの王様は毎回このようにして、次の王を決めてきたのだと考えられます。
生き残ったものが最強の守護獣を持つことができる
ところで、ツェリードニヒが一滴の血を入れ、さらに口から手を入れた壺は、初代カキン王が「具現化」したものなのだそうです。
こうすることによって、壺に手を入れた本人が全く自覚することなく、自分を守ってくれる「守護霊獣」を憑かせる事ができるのです。
壺から出てきた妖精のような小人がツェリードニヒの口に入れた球体が、たぶん霊獣の卵か何かなのでしょう。
そして、この小人のことはツェリードニヒには見えていないようです。
この壺は十中八九、念能力によって「具現化」されたものではないでしょうか。
おそらく、初代のカキンの王は念能力者だったのでしょうね。
ということは、この壺によって生み出される「霊獣」と言うのは、正しくは「念獣」と言ったほうが良いのかもしれません。
念使いではない人間には、壺から出てきた小人も霊獣も見ることが出来ないというわけですね。
しかし、「守護」霊獣ということなので、念を使うことが出来なくても、本人も知らないうちにいろいろなことから守ってくれる存在ということなのでしょう。
そして、ナスビー=ホイコーロ王が言うにはこれを「育む」と表現していることから、「霊獣」を何らかの方法で強くしていくという事が推察出来ます。
(と言うか「ナスビー」ってものすごい適当な名前ですよね。よく見たら髪型がなすびです。)
おそらく、「蠱毒」の状態におかれた霊獣は自分より弱い、もしくは弱いと判定された他の霊獣を「食う」のだと思います。
そして、他の霊獣を食らった霊獣はさらに力を蓄えることができるのではないでしょうか?
つまり、何人かの王子の中で生き残った最後の一人は最強の守護霊獣を持つことになる、という寸法なのだと考えられるのです。
ナスビー=ホイコーロ王の霊獣は意味の分からないくらい禍々しい形体をしていますが、とりあえず強そうではあります。
これが、生き残った最後の一人の霊獣の最終形態ということなのでしょうか。
また、守護霊獣はその宿主の性質によってその姿が変わるということなのだそうなので、彼の場合は多くの子供を作るという欲求や使命感が具現化したものなのかもしれません。
というか、カキンの王位継承がこのようなシステムである以上は、とにかくたくさんの子供を作るほうがより強い霊獣を得ることができるということになります。
故に、カキンの王となる者は、必然的に子沢山である必要がありますね。
ただ、その中で生き残るのはたった一人ですけどね。
もちろん王位の争奪戦に参加しなければ生き残ることは可能ではありますが、非常に残酷なシステムです。
ツェリードニヒがあのような人間を逸脱したような性格と趣味を持つようになってしまったのも、このような異常な王位継承システムによるプレッシャーが原因なのかもしれませんね。
そのように考えるとなんだかかわいそうになってきました。
カキンの14人の王子たち
カキンの王であるナスビーには8人の正妻がいて、その正妻との間には14人の子供がいるのだそうです。
王位継承戦に参加する資格があるのは、この14人の正室子だけです。
本当に子沢山ですよね。
彼(彼女)らは生まれた順番で王位継承の順位が変化することはないので、男女に関係なく「王子」と呼ばれるのだそうです。
これは独特な王位継承システムを持っているカキンならではのことですね。
僕達の感覚からすると、「王女」という言葉を使わないのはかなりややこしいですが、たくさんの正室子たちの序列を作らないようにする、という意味では必要なことなのかもしれません。
王子たちとその母親
カキンの王子達は基本的には「異母兄弟」ということになりますが、一部は実の兄弟なのですね。
急にたくさんの人物名が登場したので、わかりやすくまとめてみたいと思います。
母親:ウンマ
- 第1王子:ベンジャミン
- 第4王子:ツェリードニヒ
母親:ドゥアズル
- 第2王子:カミーラ
- 第5王子:ツベッパ
- 第7王子:ルズールス
- 第9王子:ハルケンブルグ
母親:トウチョウレイ
- 第3王子:チョウライ
母親:カットローソ
- 第6王子:タイソン
母親:スィンコスィンコ
- 第8王子:サレサレ
母親:セイコ
- 第10王子:カチョウ
- 第11王子:フウゲツ
母親:セヴァンチ
- 第12王子:モモゼ
- 第13王子:マラヤーム
母親:オイト
- 第14王子:ワブル
このように書くと、なかなかわかりやすいかと思います。
最も子供が多いのはドゥアズルで、4人の子供がいます。
と言うかツェリードニヒとベンジャミンは実の兄弟だったのですね。
あまりにも似てないから異母兄弟とばかり思い込んでいました。
最も若い、第14王子ワブルはまだ赤ちゃんですよね。
この子も王位継承戦に参加するのでしょうか?
内通者サイユウ
ビヨンドは何も知らない
前回の話で十二支んに潜んでいる内通者であることが判明したサイユウですが、どうやらビヨンドの部下ということではないようですね。
クラピカの能力「ダウジングチェーン」で調べた結果なので間違いは無いと思われます。
だとすると実はパリストンの部下だった、ということになってしまいますが、だとしたら「なぜ?」ということが問題となってきます。
パリストンは知っての通り、十二支んの中では嫌われ者でした。
そんなパリストンの側について、十二支んを最終的には裏切る予定だというのは、サイユウにとってどんなメリットがあるのでしょうね。
まだ、よくわからないことが多すぎますよね。
うまいこと尻尾を掴むことができればよいのですが、果たしてそううまく行くでしょうか?
内通者だということがバレてしまった以上は、どこかでサイユウを止める必要があるはずですが、まだ不安な要素が多いような気がしますね。
十二支んは一枚岩ではない
また、クラピカの力を使って内通者のことを調べていたということがバレるのも、ミザイストムが言うには、まずいことになりそうなのだそうです。
確かに、せっかく高まった結束が、そんな仲間を疑うような事を影でやっていたとバレたら、水の泡となってしまいそうですよね。
通常であれば、敵であることが判明したのならば、その人を排除してしまえば問題解決出来そうな気がしてしまいますが、そう簡単にはいかないところがハンターハンターのおもしろいところです。
もしかしたら、サイユウが内通者だというのも何か裏があって、サイユウを止める段階になって、また何か新たな事実が判明したり…とか言う展開も期待してしまいます。
ひょっとしたら、十二支んのメンバーの中に他にも内通者が居て、クラピカの能力では見破ることが出来ない細工がされていたり…なんてことを妄想したりしています。
今後、十二支ん達がこの問題をどのように解決していくのか楽しみですね。
ミザル・キカザル・イワザル
サイユウの能力は3匹の念獣(サル)を使ったものなのだそうです。
彼は自分の脳力を「ミザル・キカザル・イワザル」と表現していましたが、攻撃が成功すると対応している感覚を奪うことができるというものです。
ミザルは視覚、イワザルは言語、キカザルは聴覚を使用不可にするのだと思われます。
この3匹の猿による「攻撃」というものが、具体的にどのようなことを表しているのかはよくわかりませんが、なかなか嫌らしい能力ですよね。
視覚や聴覚は周囲の情報を得るために最も大きな割合を占める感覚ですから、普通の人間ならばこれだけで完全に無力化することができるでしょうね。
「円」を使えば、誰がどこにいてどんな動きをしているかは分かるはずですが、突然自分の感覚を奪われたりしたら動揺して必ず隙が生まれてしまうはずです。
「言語」、つまり言葉をしゃべることが出来ないとどんなデメリットがあるのか考えてみたのですが、これは人によってはかなり嫌な攻撃かもしれません。
というのも、「言語」と能力の発動条件が密接に関係している場合があるからです。
例を挙げるとするなら、ミザイストムの「密室裁判(クロスゲーム)」でしょうか。
この能力はカードを提示するだけで能力を発揮できるのならば良いのですが、おそらく言葉を発することによって「警告」をしなくてはならないはずです。
つまり「動くな!」とかです。
もしも、「言語」を奪われてしまったら能力自体が使うことができなくなってしまいますよね。
ミザイストムにとって、サイユウの能力は非常に相性が悪いものだと言うことができるかもしれません。
このようにサイユウの「ミザル・キカザル・イワザル」の3匹の猿の能力は相手によってはかなりの脅威となってしまうはずです。
まとめ
今週の話はカキンの王位継承の話がメインでしたが、サイユウの能力も知ることが出来て、非常に面白い展開でしたね。
カキンの王子たちは男女問わずに「王子」と呼称するようなので、非常にややこしいですね。
おそらく女性だと思われるビジュアルのキャラクターも何人か出ていましたが、果たして本当に女性なのか?とか思ってしまいます。
カキンの王位継承システムを考えると、王子の数はとにかく多ければ多いほど良いということになります。
「蠱毒」によって、食べられてしまうと考えられる敗者の念獣の数が多ければ多いほど、最終的には強力な念獣が育つと考えられるからです。
通常の王位継承が世襲制の国家では子供を多く作りすぎると、王位継承の問題が複雑化するので良くないと言われることがありますが、カキンの場合は全くの逆です。
非常におもしろいシステムですが、まああまり良い趣味とは言えないですね。
最終的に残るのはたった一人ですから、他の敗者となった王子たちは、言ってしまえば使い捨てというような存在というわけです。
この独特な王位継承システムが王子たちの変人ぶりを加速させてしまったのかもしれません。
ところで、サイユウの能力はなかなかおもしろそうな能力ですよね。
動物型の念獣を創りだす能力者と言えばゴレイヌのゴリラの能力がすぐに思いつきます。
ゴレイヌの能力は白と黒のゴリラと対象者や自分の位置を取り替えるというものでしたが、サイユウの能力も敵に回すとなかなか厄介そうです。
念獣を具現化して、さらに手元から離して操作するには、具現、操作、放出の3つの系統をバランスよく使うことが出来る必要があります。
それだけ実現するのが難しい能力ですから、これだけの能力を使うことができるサイユウはかなりの使い手だということがよく分かりますね。
だからこそ、新大陸(仮)に渡航する途中で、サイユウを捕獲するというのもかなり大変なことだと思われます。
今後サイユウと他の十二支ん達、それにカキンの王子達がどのように関係していくのか、楽しみですね。
コメント
感想ありがとうございます。
(;v;)今回の349話には、すごく気になるのはツェルード二ヒのこまでした。後ろの緋色の目の真ん中に、頭の姿があったんじゃないですか?なんかパイロの頭みたい(泣)だったら、クラピカはどうなるでしょう?友人の頭を見るとき~~~ (泣)
>HaiHaさん
確かにツェリードニヒの後ろにある、誰かの頭部のようなものは気になっていました。
まだ現時点では、それがクルタ族のものなのか、それとも他のものなのかということはわかりませんが、ものすごくパイロっぽいですよね。
髪型とか、すごく似てます。
もしも、本当にパイロだとしたらクラピカはホントに辛い気持ちになるでしょうね…