本日、6月16日発売の週刊少年ジャンプに掲載されているハンターハンターの最新話の感想と考察を書いていきたいと思います。
今週も期待通りに内容が非常に濃かったです。
ついに、ものすごく久しぶりにクラピカが登場しましたね。
343話の主題はタイトルの通りに「勧誘」でした。
ハンターハンターのメインキャラクターであるクラピカとレオリオが、ジンとパリストンが抜けて欠員がでてしまった十二支んのメンバーとして勧誘されるというもの。
もう、この2人はしばらく出てこないかと思っていましたが、まさかこのような形で再登場になるとはファンとしては嬉しいサプライズです。
それと、ジンとパリストンの遣り取りも非常に面白かったですね。
パリストンの本質と、ジンの実力が垣間見えたシーンは迫力がありました。
レオリオの勧誘
チードルからの電話
ハンターハンター343話はチードルとレオリオが電話ごしに会話をするシーンから始まります。
その内容はレオリオに十二支んのメンバーになってほしいと勧誘することです。
レオリオはルーキーでありながらも、ハンター協会の会長選挙で突如として会長候補の最有力候補に踊り出ることになった人物です。
その、チードルはその人気の高さを買って、レオリオに白羽の矢を立てたということです。
なぜなら、チードルは暗黒大陸への探検の成功のために、この後、暗黒大陸の探検に適した優秀な人材を集めなくてはなりません。
ハンター協会の中でも好意的な心象のあるレオリオが十二支んのメンバーになって、暗黒大陸の探検に同行することは政治的な意味で、非常に有利に働くと言うわけです。
また、レオリオにとっても暗黒大陸探検の医療チームとして同行することは、それ自体が医療実務経験として認められるので、医者への道も近くなります。
もちろん無事に帰ってくることができればの話ですが…
レオリオの医者になるという夢の実現のためにも、チードルの勧誘は大きなリスクも伴う代わりにチャンスでもあるのです。
十二支んのメンバーってすごい肩書きだと思う
暗黒大陸への探検によって得られる経験と学位取得、という意味だけではなく、十二支んのメンバーになるということだけでもすごいことであるはずです。
何しろ、十二支んは世界には普通に何人ものトリプルハンターやダブルハンターが在籍している、現在活躍している多くのハンター達の中でもトップレベルの人達の集団です。
また、世界的にも高く評価されている、「ハンター」という職業の中心的なグループであるわけですから、そこに在籍することができるということは、経歴的にも箔が付きます。
学位上の評価だけでなく、そう言った意味でもレオリオにとって十二支んへの加入はメリットがあったということですね。
そんな思惑があってかレオリオは、チードルの挑発とも思える言葉にカチンと来つつも、十二支んへの加入と暗黒大陸への探検の動向を快諾します。
そして、一つの条件として提示したのは、クラピカも十二支んに入れてもらいたいということでした。
クラピカの勧誘
本当に久しぶりのまともな登場となったクラピカです。
また何年かは、もうクラピカが登場しないのではないかと思っていたので、これは素直に嬉しく思います。
まともにクラピカが会話をしているシーンはグリードアイランド編でキルアがクラピカに電話をかけるシーン以来だったかと思うので、本当に久しぶりです。
ミザイストムの能力①「密室裁判(クロスゲーム)」
クラピカの十二支ん加入と暗黒大陸探検の勧誘には、犯罪(クライム)ハンターのミザイストムが向かいました。
そこで、初登場となるミザイストムの能力「密室裁判(クロスゲーム)」。
この能力は具体的な発動条件など、今は謎が多いですが、わかっているのは対象を動けなくすることができる能力のようです。
手にカードを持ち相手に「近づくな」などの警告をして、それに従わない相手には念で作られた小型の檻のようなものを出現させて行動不能にするようです。
クラピカの部下のハンター協会員の男が、ミザイストムのこの能力の発動時に凝を使ってこれを見ている様子からも、このキューブ状の檻が比喩的な表現ではなく、実際に念能力によって作られたことを示唆しています。
また、自分が犯罪(クライム)ハンターであることを強調している様子から考えると、ひょっとしたら犯罪者限定でしか発動しない能力なのかもしれませんね。
特に条件なしで警告するだけで相手を拘束できる能力だとしたら、ちょっと強すぎる気もします。
ミザイストムの能力②「ミルクは自分で入れる」??
また、クラピカを待つ間、コーヒーに”自分で”ミルクを入れる、というセリフもちょっと引っかかります。
もしかしたらミザイストムは自分のキャラクターである「牛」のように牛乳を出すことができるのかもしれません。
だとしたら、なんというミルクへの思い入れの強さでしょう。
もしも本当に自分でミルクを具現化、もしくはオーラをミルクに変化させる能力があるとしたら、相当な量の修行が必要であるはずです。
ミルクを舐めたり飲んだり、ミルクを写生したり、ミルクを眺めたり、とにかくミルクで遊ぶ以外何もしないという修行だけでなく、拷問に近い大量のミルクを毎日のように浴びる修行だけでも数年は必要であるはずです。
もしかしたら、家庭の事情で生まれた時からミルクを浴びていたのかもしれませんね。
ミザイストムはすごく真面目そうなキャラなのに本当に「ミルクを出す能力」を使えるとしたら、急にギャグキャラになってしまいそうです。
便利な能力ではあると思いますが…
個人的にこのくだりは本編よりも気になる部分だったりします。
ボスと呼ばれるクラピカ
さて、話を本筋に戻します。
クラピカは久しぶりの登場でしたがいつの間にか「ボス」と呼ばれるようになっていました。
マフィアのボスになった?と思いましたが、クラピカの部下の男の言葉が本当ならば法律違反をしている組織ではないようなので、これが半社会的な組織であるマフィアとは言えない気がします。
ということはノストラードファミリーはもう見限ったのでしょうか?
それともノストラードファミリーのボスになって、組織を作り替えたということなのでしょうか。
だとしたら、センリツやバショウとかはどうなったのでしょうか。
まだクラピカと一緒に働いているのでしょうか?
しばらく登場しないうちに、すっかりクラピカの周辺の環境は変化してしまっているようですね。
機嫌の悪いクラピカ
クラピカはミザイストムが十二支んの勧誘に訪れた時、非常に機嫌が悪かったようです。
「知らんな」「断る」「だからなんだ?」とせっかく訪れた初対面のミザイストムに対してものすごい冷たい対応です。
これに対して、ミザイストムは全く動じる気配はなかったですが、こんな対応をされたら僕だったら1週間くらい凹みます。
この不機嫌の原因は半年前に投稿されたという、大量の緋の目を映したという動画の存在です。
クラピカはこの動画の投稿者を探そうとしましたが、まったく手がかりがつかめない状態だったからです。
これは、まあ焦燥しても仕方ないことなのかもしれませんね。
コミックス32巻でレオリオがクラピカに電話をかけるシーンで「BBB」と携帯がなっているにも関わらず電話に出なかったのは、このことで頭がいっぱいだったからなのでしょう。
結局、クラピカはミザイストムの勧誘に応じるのですが、それは暗黒大陸への探検に行く船に、その動画に映っていた緋の目の持ち主が参加することがわかったからです。
そんな情報を持って現れたら、それに従うしかないですよね。
用意周到な話です。
その大量の緋の目の持ち主とは新たな登場人物、カキンの第四王子「ツェリードニヒ=ホイコーロ」という人物です。
「仲間の目を取り戻すこと」という、クラピカの最優先させるべき目的を達成するためにクラピカは十二支んへの加入と暗黒大陸探検への同行を決めることとなったのでした。
ジンとパリストンの会話
パリストンの強制2択
パリストンはハンター協会もしくは世界中に、約5000体ものキメラの兵隊をばらまこうとしています。
その目的は言ってみれば自分が楽しむためとしか言いようがありません。
ハンター協会の現会長であるチードルは中庸な、よく言えば無難な、パリストンからすればつまらない考え方で物事を運ぶ人物です。
しかし、そんなリーダーの率いるハンター協会でもパリストンが「捨てたものではない」と判断するのならば、ハンター協会にキメラの兵隊を送り込むということを目論んでいます。
「捨てたものではない」と言うのはパリストンにとって、いじっておもしろそうかどうか、ということだと思います。
キメラを送り込む方法はハンター試験を利用することです。
ハンター試験は「どんな者でも」試験に受かりさえすればハンター協会員になるチャンスがあるので、この試験に大量のキメラを投入して大量に合格させて、協会内部に自分の部下であるキメラの兵隊を入り込ませる、というのがパリストンの目論見です。
コミックスの32巻331話でジンがチードルに話していた「Xデー」の話がようやくここで繋がってきましたね。
ジンの言うとおりハンター十ヶ条の解釈の仕方で、対応が変わってきそうです。
また、もう一つの選択はハンター協会で遊んでも楽しくなさそうならば、世界中にキメラをばらまくという、強制的な2択だったということです。
どちらに転んでもろくなことにならない話ですね。
世界中にキメラをばらまけば、必ずそれを止める誰かが現れるだろうから、その誰かとパリストンは遊ぶつもりなのです。
自分が楽しむためならば手段は選ばない、というのがパリストンというキャラクターの行動パターンなのかもしれません。
パリストンの価値観
パリストンは今までどんな人生を歩んでそうなったのか知りませんが、非常に歪んだ価値観の持ち主です。
- 人に憎まれる→幸せを感じる。
- 愛しいもの→傷つけたくなる。
この通常では考えられない価値観は、素直にその価値観に沿うのならば半社会的な行動をとるしかなくなります。
ハンターハンターでは数多くのぶっ飛んだ性格の悪役が登場しますが、パリストンは今まで登場した敵の中で一番強大な悪役かも知れません。
キメラ=アント編ではメルエムが登場した当初は絶対悪のであるかのような描かれ方をしていましたが、最終的にはコムギとの出会いのおかげで人間的な感情が芽生えていました。
ヒソカなどもハンターハンターの最も代表的な悪役ですが、最近は敵とも味方とも言えないような存在になっています。
それに対して、パリストンはその価値観自体が人間とは相容れないようにも感じます。
存在自体が「悪」と言っても過言ではないかもしれません。
それこそ世界を滅ぼしかねない危険な思想の持ち主だと思います。
だからこそ、パリストンは魅力的な人物であるように感じられるのかもしれませんけどね。
実際にこんな人がいたらやばすぎですが、漫画のキャラクターとしては底が知れないような魅力を感じます。
ジンの実力
ジンが、ねじり鉢巻の江戸っ子キャラ?をボコボコにしたシーン。
このシーンは、このねじり鉢巻のキャラがジンに対して抱いたイメージで、実際に殴られたわけではありませんでしたが、ジンの実力が圧倒的であることを表現した1ページでした。
まるで、本来の姿に戻ったビスケのパンチのような破壊力のイメージです。
顔に拳がめり込んでいる絵はすごい迫力ですね。
ねじり鉢巻がちぎれているところまで描写されているのは、リアリティを感じさせてくれて冨樫先生のこだわりを感じます。
このシーンから読み取れるのはジンの戦闘力という意味での実力が、その場に居る誰よりも強く、段違いだということです。
パリストンはジンよりは弱いようですが、ジンがパリストンを力でねじ伏せて屈服させようとしないのは、それではパリストンに本当の意味で勝ったとは言えないからなのでしょう。
たとえ、パリストンをボコボコにしてパリストンの目論見を阻止したとしても、それは逆にジンにとっては負けなのです。
精神的な意味での勝利こそ本当の勝利で、おそらくそうしないと本当の意味でパリストンを止めることは出来ないということがジンにはわかっているのではないでしょうか。
だからこそ、ジンは自分に有利であるはずの力での勝負をしようとしないのだと思います。
No.2
戦闘能力という意味では、おそらくこの場にいる人達の中でジンが一番の実力者であると思われるのですが、ジンが現れる前はメカっぽい少女みたいなキャラクター?がNo.2だったみたいです。
すごく謎な風貌のキャラですが、この人物?が暗黒大陸探検隊のメンバーで戦闘力という意味でビヨンドに次いでNo.2だったと言うのは以外です。
なんだか人気が出そうな予感がします。
ていうか、この人達の名前、早く知りたいですね。
まとめ
連載が再開してからのハンターハンターは今回で3週目ですが、毎週内容が濃くてすごく面白いです。
感想や考察を書くと、どうしても長文になってしまうのが難点ですが。
クラピカとレオリオの再登場とジンとパリストンの会話も非常に興味深かったですね。
早く、彼らが暗黒大陸の探検に行くのを見てみたいですね。
今回の話でジンの実力の一端を垣間見ることは出来ましたが、実際に戦っているところや、どんな能力を使うことができるのかということも早く知りたいです。
おまけ
今週の話を読みながらちょっと思ったのが、クラピカとレオリオが暗黒大陸の探検に赴くのならば、ゴンはもちろんのことキルアもそれに参加するのかなということです。
ゴンは主人公だし、暗黒大陸編の中心人物であるジンの息子だから、ほぼ間違いなく今後のストーリーに関与してくるかと思われます。
ではキルアはというと、実はキルアと現在一緒にいるアルカが暗黒大陸と関係するという説があります。
というのも、僕もネット上で知った話なのですが、その説によるとアルカ(ナニカ)の能力は暗黒大陸の5大厄災の一つである「ガス生命体 アイ」に由来するものであるということらしいです。
ナニカもアイも「あい」としゃべっているし、「欲望の共依存」という文言は、まさにアルカ(ナニカ)の能力を彷彿とさせるものです。
なので、おそらく「ガス生命体 アイ」とアルカ(ナニカ)には深い関係性があるということが推測することが出来ます。
故に、アルカと一緒にいるキルアも近いうちに再登場することが考えられるのです。
連載再開してからは主人公が交代したかのようなストーリーが続いていますが、またメインキャラクター4人で冒険する話も出てきそうですね。
UPしました→「No.344 著者」の感想と考察