先日まで、うちの奥さんの従姉妹が2〜3日の間、うちに泊まりに来ていました。
彼女は、ドイツ人の父と日本人の母を持つハーフで、日本に来たのはこれが2回目とのことでした。
故に、僕が現在の住んでいる山梨県に来るのは初めてだったので、山梨県の郷土料理である「ほうとう」を食べさせるために「ほうとう不動 河口湖北本店」に連れて行くことになりました。
河口湖周辺は富士山に近く、かなりの迫力の富士山の姿を見ることが出来たはずだったのですが、あいにく曇っていて良い感じの富士山を見ることは出来ませんでした。
しかし、ほうとう不動のほうとうは彼女もかなり気に入ってくれたらしく「おいしいです!」と片言で言いながら食べていました。
ほうとう不動に行ったのは実は初めてだったのですが、注文して出てきたのは期待以上においしいほうとうで、さらにメニューもシンプルなので外国人を連れて行くのには良いお店だなあと感じました。
よい場所を見つけることが出来たと思います。
「ほうとう不動 河口湖北本店」のほうとうはおいしい&シンプルで良い
ほうとうとは
「ほうとう」と言うのは、あまり聞いたことがない人もいるかもしれませんが、山梨県では誰もが何度も食べたことのある、山梨県の郷土料理です。
ほうとうの事を説明するときに「味噌煮込みうどん」と言うことが多いですが、実際に食べてみると普通のうどんとはかなり雰囲気の異なる食べ物です。
まず、麺が平べったくて太いです。
でもきしめんとかともちょっと違います。
というのも、ほうとうはうどんなどでは味を決める重要な要素である、「麺のコシ」というものをあまり考えないで調理されることが多いからです。
うちのおじいちゃんの話によると、麺を鍋に入れてからは、とにかくたくさん煮込んでどろどろになったものの方がおいしいのだそうです。
もはや根本的な考え方が違うように思いますね。
それに、必ずと言っても良いほど、たくさんのかぼちゃが具材として入っています。
しかし、ほうとうに入っているかぼちゃは大抵の場合、煮こまれたおかげで跡形もなくなっている場合が非常に多いです。
そのために、スープの味は「味噌+かぼちゃ」という感じですね。
まあ、ほうとうは野菜たっぷりの健康的な料理ではありますね。
味噌汁とか作るときは、お味噌を入れてから沸騰させてはダメというのが通説ですが、ほうとうは器を兼ねている鉄製の鍋に具材と味噌をぶち込んでぐつぐつと煮るのです。
田舎の料理なので、細かいことは関係ないのです。
「味噌煮込みうどん」というよりも「かぼちゃとひらべったい麺をずっと煮込んだ、うどんみたいなもの」と表現したほうが、より正確にイメージが伝わると思います。
まあ、言ってしまえば典型的な田舎の郷土料理というやつですね。
素朴な懐かしい味のする食べ物です。
ほうとう不動の良さ
「ほうとう不動」には、山梨県に住んでいる身でありながら、一度もお店に入ったことはありませんでした。
いつも、河口湖周辺にドライブしに来るとお店の前を通るのですが、「山梨県に住んでいるのにほうとう?」という感じになってスルーしていました。
なので、今回はこのお店に入ることができる良い機会となりました。
さて、「ほうとう不動 河口湖北本店」ですが、なかなか良いお店だと感じました。
今までお店に入ることはありませんでしたが、店構えの雰囲気からして、頑張っている感じが出ているなぁとは思っていました。
料理が出てくるのが早い
このお店はお店に入って注文してからほうとうが出てくるのが異様に早かったのが印象的でした。
注文してから約3分くらいでほうとうが出てきました。
個人的な経験から店員さんが元気が良くて、さらに料理が出てくるのが早い飲食店は、総じてレベルが高いと思っているのですが、ほうとう不動はそういう匂いを感じました。
そして、料理を早く提供出来るのはメニューのシンプルさのおかげだと思われます。
これは、ほうとう不動のメニューですが、ほうとうは「不動ほうとう」の1種類だけです。
他の某ほうとう専門店だと、ほうとうだけでもかなりの種類がメニューに載っています。
そのために注文してから出てくるまでにかなりの時間待たされる場合が多いです。
(ほうとうは煮こむのに時間がかかるため)
また、ほうとうの他にもとんかつなどの定食がメニューにあったりして、それではお店側もいくら頑張っても料理を早く提供することは出来ませんよね。
しかし、このお店は1種類のほうとう+サイドメニューだけなので、非常にシンプルです。
したがって、このシンプルさのおかげで、料理の提供に時間があまりかからないのではないかと推測することが出来ます。
食べる方も注文するときも考えなくて良いから、すぐに注文できますしね。
サイドメニューも盛り付ければ完成するタイプの食べ物ばかりなので、ほうとう以外にもいろいろ頼んだとしても出てくるのは早かったでしょうね。
システムの効率の良さ
ほうとう不動に来たお客さんはほぼ100%「不動ほうとう」を注文するはずです。
なので、あらかじめすべての席にほうとうの熱い鍋を置く、鉄製の鍋敷きが置かれていました。
そのために、店員さんはほうとうの入った鍋だけを持っていけば良いので、ホールの仕事が楽になります。
これは注文される料理が1種類に固定されていないと出来ないことですよね。
システムがよく考えられていて、効率の良さが重視された店作りには感心させられます。
このような完成された仕組みを持つ飲食店は、利用する側としては非常に気持ちが良いので大好きです。
待つ時間の短さと、それと店員さんの元気の良さもあって、お昼時でかなり忙しそうでしたがお店の雰囲気はかなり良かったと思います。
ほうとうがおいしい!
前置きが長くなってしまいましたが、このお店の最大の魅力はほうとうがおいしいということですね。
先ほど、ほうとうは煮込まれて麺のコシとかそういうのは無いと書きましたが、「不動ほうとう」は麺の食感がしっかりしていて好みの麺でした。
個人的には麺類は固めの麺が好きなので、ここのほうとうの麺は今まで食べたほうとうの中では最も自分の理想に近いかもしれません。
おいしい麺、と言うか調度良い茹で加減でしたね。
鉄製の鍋で煮こまれて、そのまま出てくる「不動ほうとう」のスープは非常に熱くて、この暑い時期にはこたえるものがありました。
調子に乗って、机に置いてあった唐辛子のペーストのような辛い調味料をたくさん入れてしまったので、食べ終わった頃には汗だくでした。
しかし、これだけしっかりと熱いスープだとあまりしつこい感じがしなくて、食べ終わった後はお腹いっぱいで苦しかったですが、むしろ爽快感があったようにも感じましたね。
あまり、クセっぽい感じとか臭みとかなくて、素直においしいと思えるスープでした。
山梨初体験の外国の方にもおすすめなお店
今回は生まれてからずっとドイツで暮らしてきた、うちの奥さんの従姉妹を連れて「ほうとう不動」を訪ねたわけなのですが、日本食に慣れていない彼女でもおいしく食べることが出来たようでした。
ちょっと女性には量が多すぎて、食べきれずに残していましたが、「おいしい?」と聞いたら「おいしい!」と言っていました。
ほうとうは味噌系の味の食べ物なので、口に合うか心配だったのですが、杞憂だったようです。
今回は、僕やうちの奥さんが一緒に行ったのですが、もしも外国人だけで旅行しているとしてもおすすめできるお店であるように感じました。
何しろ、ほうとうは1種類だけなので、注文が楽ですからね。
今回も僕達が席に着くと店員のおばちゃんが「ほうとう何人前?」とだけ聞いてきました。
もしも日本語がわからなくても、数だけ伝えれば良いだけなので簡単です。
故に、シンプルなシステムで、おいしいほうとうを食べることができる「ほうとう不動」は外国人の方でも安心して利用できる、ほうとう専門店だと思いました。
まとめ
ほうとう不動は今回が初めての訪問でしたが、予想以上においしくて、さらにシステム的にも洗練されていて感心の連続でした。
僕、実は個人的にほうとうという食べ物は、今まであまりおいしいというイメージがありませんでした。
ほうとうは山梨県という田舎の郷土料理ということで、過度な期待をしてはいけないものなのかも知れないですけどね。
でも、もしも県外や外国からお客さんが来たとしたら、地元の人間としては、やはりほうとうを一度は食べて欲しいと思ってしまいます。
そんな時にこのお店だったら自信を持って勧められるなと感じました。
ちょっと残念なのは「ほうとう不動」は河口湖周辺にしか店舗が無いということです。
僕は甲府の隣町である甲斐市というところに住んでいるので、ちょっと遠いです。
もしも近くにあれば、普段も食べにいけるのに…と思ってしまいます。
これはこのお店のせいではなくて、僕の贅沢な悩みなのですが、気軽に行くことが出来る場所に無いというのが最大のネックですね。
山梨初体験のお客さんを富士山付近に連れて行ったついでに連れて行くしか無いですね。
甲府近辺にもできないかなあと、ちょっと思ってしまいますね。
富士山近辺に観光に来た時には、おすすめできるほうとう専門店だと思います。