最近、時間のあるときは毎日作品制作の時間を作るようにしています。
作業に割り当てることができる貴重な時間を有効に使うために、作業効率アップのための工夫をして少しでも進行速度を上げていきたいです。
こて台と作業机をハンダ付け用に改造
いろいろ工夫しています
今作っている作品は電子パーツをハンダ付けして立体造形をしていく、という作品です。
ずっと同じ作業の繰り返しをしなくてはならない、根気の必要な作業です。
何千個もの電子パーツをハンダ付けしなくてはならないので、ほとんど作業が進行してない(ように見える)のに時間ばかりが過ぎていくということもよくあります。
そこで、ハンダ付けを効率よく行うために道具や机を改造したり、作業内容に適している使いやすい道具を買ったりしました。
こて台を改造
熱くなったはんだごてを置いておくことができる「こて台」はハンダ付け作業の必需品です。
しかし、比較的安価で簡易的な製品を買ってしまったために、はんだごての固定が上手いこと出来なくて不便だと感じていました。
僕のように何千個ものパーツを長時間に渡ってハンダ付けする場合は、熱くなっている状態のはんだごてをしっかりと固定できるかつ、サッと無意識の状態でも置くことができるこて台が必要だったのです。
高くても使いやすいものを買うべきだったと反省しました。
そこで、今使っているこて台に太さが1.2㎜のステンレスの線を巻きつけて、はんだごてをサクッと置くことができるように改造して使っています。
ちょっと見た目がアーティスティックなのは、不便さにイライラして衝動的に改造をしてしまったからです。
安定感がなさそうに見えるかもしれませんが、太めで硬いステンレス線を使ったおかげで、ブレたり壊れたりはんだごてが落ちたりすることは全くありません。
見た目よりもガッチリとした改造ができたと思います。
わずか数百円のお金をケチったおかげで、当初は作業の利便性に大きな影響が出ていましたが、うまく解決することが出来ました。
精密な作業が可能なはんだごて
はんだごても作業がし易いものに変更しました。
売っているものの中で一番精密な作業が出来そうなものを購入しました。
白光の精密な作業が可能なタイプのはんだこてです。
このはんだごてを使い始めてから、今までの苦労が嘘のようにハンダ付け作業の効率が上がりました。
やはり、作業内容によって最適な道具を選ぶことは大事だなあと再確認しました。
ハンダを机にセットできるように改造
ハンダは何種類か試した結果、太さが0.8㎜の白光のハンダが最も使いやすかったのでそれを使っています。
白光のハンダ付け用の製品は優秀なものが多いと感じます。
ハンダ付け作業をしていると両手がふさがっていることが多いです。
もう1本手がほしい!と思うことがよくあります。
天津飯みたいに手が増やせたら良いのですが、普通の人間にはそれは無理な話です。
しかし、ハンダの巻いてあるリールからハンダを使うにはどうしても両手を使う必要があり、さらにてんやわんやすることが多いのが悩みでした。
一旦作業をやめて、両手を空けてからハンダのリールからハンダを適量だけほどきとるという行為をしなくてはならないのが大きなタイムロスになっていました。
そこで、片手で引っ張るだけでハンダを使うことができるように作業机をプチ改造して取り付けました。
こんなかんじで、木ねじで作業机の足に4本ほど電動ドライバーでねじ込んで、木ねじを軸にしてハンダのリールをはめ込みます。
そして、机の天板にドリルで直径3㎜ほどの穴を開けて、その穴にハンダを通しました。
そうすることで、引っ張るだけでスムーズにハンダを次の作業に使うだけの分を手元に補充することが出来ます。
わかりやすいようにGIFアニメーションを作ってみました。
こうすると、ミシンのボビンみたいにも見えてきますね。
こんな動画を作っている暇があるなら制作しろよ!という声が聞こえてくる気がしますが…
この仕組みを考えついてからハンダ付けのスピードがグッと早くなりました。
作品が出来てきた!
頭蓋骨の形状が見えてきた!
ハンダ付けの効率が上がっているおかげか、約20日ほどでかなり形ができてきました。
今作っているのは「ipsパーツ」というタイトルの作品です。
モチーフである「頭蓋骨」の形状がわかるくらいにまで電子パーツである「抵抗」をハンダ付けをし続けました。
今はまだまだ制作の途中ですが、使用した抵抗の数は2500個を超えています。
一つ一つはほとんど重さがないくらい小さなパーツですが、抵抗2500個とこれらのパーツをくっつけるために使ったハンダのおかげで、持つと少しの重さを感じるくらいまでになりました。
これからが本番と言っても良いくらい、ものすごく途中ですが、なんとなくの形ができてくるとモチベーションが上がってきますね。
完成を目指して頑張って行きたいと思います。
まとめ
作品制作などで、大量の同じ作業を繰り返し行わなくてはならない時は、いかにしてその作業の効率をアップするかがとても重要です。
その、少しの工夫をするかどうかでトータルの作業時間と期間が大きく変わってくるはずです。
場合によってはその作業専用の道具を自作したりする必要もあるかもしれません。
芸大に通いながら制作活動をしていた学生時代は、今思えば時間がたくさんありましたが、卒業後は自分のフリーな時間が少なくなってしまいました。
限られた時間の中でいかにして制作の時間を捻出するかというのが、大学を卒業後もアーティストとしての活動を続けていく上での大きな課題の一つです。
今後も場合によっては作品制作に割くことができる時間が減るかもしれません。
そんな時に、効率のよい作業環境を用意出来ていることが大事だなあと思う今日このごろです。