昨日、七宝のアート作品を作っているアーティスト、前田恭兵さんの初個展に行ってきました。
「七宝」という日本の伝統的な技法を使った作品が30点以上展示されていました。
展覧会の初日だった昨日はレセプションパーティーが夕方から行われて、久しぶりに会った大学時代の友人と楽しいときを過ごすことが出来ました。
前田恭兵展に行ってきました
Playing in Limitations -前田 恭兵 展-
下北沢のギャラリー
2月22日㈯から3月9日㈰まで行われている「前田恭兵展 Playing in Limitation 制約と遊ぶ」は東京の下北沢のギャラリー「ギャラリー HANA SHIMOKITAZAWA」が会場となっています。
下北沢はおしゃれなカフェや、雑貨屋や、洋服屋などがたくさんあることで有名な街ですよね。
この街にはいつ誰と行ったかもわからないくらい昔に一度だけ行った記憶があります。
今回で2回目の訪問です。
ギャラリー HANAに到着すると「Kyohei Maeda」と書かれた看板が入り口に立っていました。
同級生
前田さんとは東京藝術大学工芸科に入学してから大学院の卒業まで長い時間を一緒に過ごした同級生です。
大学2年生の講座選択で専攻ごとに別れた後も同じ彫金研究室で仲良く同じ教室で制作に励んでいました。
現在、前田さんは同大学の表面処理工房の教員として学生の面倒を見ながら、制作活動をしています。
こちらが前田さんです。
見ての通りかなりのイケメンです。
カメラを向けられていることに気付くと爽やかな笑顔でピースしてくれました。
前田さんとは前述したように長い付き合いで、学生時代はよく一緒に遊んだり飲みに行ったりしていました。
懐かしい思い出です。
七宝の作品
前田さんの作品は「七宝」という日本の伝統的な技法で制作されています。
僕達の通っていた東京芸大の「彫金研究室」では、4年生の時と大学院1年の時に七宝の実習があります。
卒業制作や修了制作でも七宝の作品を作る人が多い、魅力のある技法です。
七宝とは、金属の板の表面にガラスを細かく砕いた粉を乗せて、電気炉で700度〜800度くらいの温度で焼き付けて、美しい模様や色を表現する技法です。
七宝用の釉薬を何層にも重ねて焼き付けて、最後に研ぎ出すという手間のかかる工程が必要です。
そうして作られた作品は独特な雰囲気があり、奥行きを感じられるような深い色合いの表現が可能な点が特徴的です。
壁面に飾られた作品です。
この中の一点を拡大すると馬に乗った人が表現されていました。
この馬の表現は0.02mmくらいの厚さのリボン状の銀線を曲げて作品の土台の板に置き、七宝の釉薬と一緒に焼成して作ったものです。
この銀線を使った七宝作品ならでは表現は、非常に細かく根気の必要な作業です。
一見陶芸の作品のように見えるかもしれませんが、縁の部分をよく見ると土台の部分は金属であることがわかります。
七宝の作品は陶芸の作品とはまた違う雰囲気に仕上がるのが面白いところです。
七宝の立体作品
今回の個展では、普段あまり作らない立体作品にもチャレンジしてみたそうです。
ギャラリーの入口を入るとペンギンが出迎えてくれました。
七宝で立体の作品を作ることはものすごく高度な技術が必要です。
前田さんの立体作品は高さが20㎝くらいで、大きくはないのですが、作品を作る過程を想像するとその苦労がよくわかります。
会場には24点~25点の平面作品と5~6点の立体作品が展示してあって、見応えがありました。
ユニークな作品
壺から角が生えています。
角の部分は彫金の技法を使って表現されています。
壺の部分の七宝の表現もあまり見たことが無い珍しい技法が使われているようです。
この作品のように、七宝の新しい技法を発見していきたいと、前田さんは言っていました。
この作品は馬と壺が貫通しているように一体となっているユニークな作品です。
馬の片足がないのは、レースでケガをしてしまった大好きだった競走馬をモチーフにしたからだそうです。
これも壺の作品です。
ちゃんと花器として使うことができるそうです。
花を生けることができるようにするために、水を入れたり土台から取り外すことができるように工夫されているそうです。
今回の個展では「壺」が大きなテーマの一つになっているそうです。
詳しくは会場に行って本人に聞けば、喜んで説明してくれると思います。
何気ない風景画のような作品でも見る人が楽しめる工夫がしてあります。
作品のモチーフも普通選ばないような選択がされている作品が多く飽きずに見させてもらいました。
レセプションパーティー
初日である昨日は18時からレセプションパーティーがありました。
せっかくなので参加させてもらうことにました。
乾杯の前に、前田さんのスピーチがありました。
ちょっと緊張した様子で、展示のコンセプト等を説明してくれました。
おいしそうなお酒やおつまみが用意されています。
展示スペースがたくさんの人で埋まってしまいました。
皆さん作品を見たり、前田さんに作品の説明をしてもらったりしていました。
ちょうど何人か大学時代の先輩や後輩も来ていたので、歓談しました。
大学時代の先輩に撮ってもらいました。
ちょうど、目がいっちゃってるような表情のときに撮ってくれました。
僕は、これから車で山梨まで帰らなくてはならないのでオレンジジュースをおいしくいただきました。
まとめ
「前田恭兵展 Playing in Limitation 制約と遊ぶ」は初個展ということもあってか作品数も多く、見応えのある展示会だったと思います。
七宝という伝統的な技法を用いながら、新しい表現を模索している彼の姿勢は見習いたいと思いました。
久しぶりにいろいろな人と話が出来て充実した楽しい時間を過ごすことが出来ました。