ハンターハンターのテレビアニメ版でもついに俗にいう「ゴンさん」が登場しました。
カイトをもう元に戻すことは出来ないという事実と、ネフェルピトーに「もうこれで終わってもいい」という思いで立ち向かうゴンの姿を見ていると、非常に切ない気持ちになりました。
しかし、なぜゴンは突如として急激な成長をして「ゴンさん」になってしまったのでしょうか?
その理由や方法はまだ謎ですが、現状から推測される可能性について考えてみようと思います。
ゴンさんについての考察
追い詰められたゴン
ゴンはカイトを元に戻してもらうために、ピトーとともにペイジンのカイトの元へ向かいます。
しかし、そこでピトーから告げられる事実は残酷なものでした。
そして、ゴンに宣戦布告するピトー。
ゴンはそんな状況の中で、ピトーと戦わなくてはならなくなったのです。
極限まで追い詰められた精神状態、それに「もうこれで終わってもいい、だからありったけを」という思いがゴンを「ゴンさん」へと進化させたのかもしれません。
ゴンは1000万人に一人だとウイングが言っていた、自身の貴重な才能を全て投げ打って、ピトーを一撃で粉砕できるほどの力を得ることが出来たということです。
強制的な成長
しかし、ここで疑問となるのは、いくらそんな極限の状況になったからといって急にゴンが「ゴンさん」になったりすることがあるのか、という点です。
ビスケのように元の姿に戻ったというわけでもないですし、単純に肉体が強化されたというわけでもありません。
姿が変わると同時に、オーラの量自体が爆発的に増加したということから全くの異質な変化であると言えます。
また、髪の毛が異常に長く伸びている描写があることが、実際に時間が経過して年齢も上がっていることを示唆しています。
理屈や理由があるはず
これは、一瞬にして子供が成人になってしまったという、通常ではありえない状況です。
ピンチになると突然すごい力が発現して、危機的状況を乗り越えてしまう、と言うのは少年漫画ではよくある展開の一つです。
しかし、ハンターハンターでは、今まで様々な壮絶なバトルが描かれてきましたが、そんな展開や描写は一切なかったように思います。
ピンチになって本気になったら、ものすごい力が発揮できるという理屈が通用するのならば、念能力者で才能がある人はみんなピンチになればすごい力が発揮できる、ということになってしまいます。
ハンターハンターのおもしろいところはどんなに突飛な展開や能力が登場しても、それがハンターハンターの世界の中での理屈で説明がつくということです。
6つの念系統と条件(制約と誓約)で発動するという、念能力のシステムで説明が可能であるはずです。
つまり、ゴンが「ゴンさん」になってしまったのも何かしらの理由があるはずなのです。
単純にピンチになったからすごいパワーが出ちゃった、というのではおもしろくありません。
十中八九、冨樫先生はゴンが「ゴンさん」になってしまった理由を考えてあるはずです。
ゴンが「ゴンさん」になってしまったのはどんな能力だったのか
ゴンが自分を強制的に成長させることが出来た理由を3つ考えてみました。
1.肉体とオーラを強化した
ゴンは強化系の念能力者です。
そのことから考えると「もう二度と念能力を使えなくなっても良い」という「制約と誓約」をもって、自身の肉体を強化したと考えるのが自然です。
ここで問題になるのがゴンさんになったことで、オーラの総量まで大きくなったということです。
これは強引に解釈すれば強化系の能力で、オーラの絶対量を強化したということかもしれません。
しかし、ゴンは実際に何十年もの修行を積んだ後であるかのような時間経過と肉体的な成長をして、「ゴンさん」になっています。
これは、単に肉体やオーラの量を強化した、ということでは説明がつきません。
また、ピトーを倒す目的のために肉体やオーラを強化したと考えるならば、自分の年齢まで上げる必要はないはずです。
子供の姿のゴンがいきなりマッチョになってしまったら、それはそれで違和感があるのですが、別に子供の姿であってもピトーを倒すという目的を達成することに関して問題はないはずです。
故に、単純に強化系の能力を使って、自分の肉体とオーラの量を極限まで強化したという説は説得力に欠ける部分があります。
2.特質系になった
ゴンは極限の状況と精神状態に追い込まれたことで、強化系から「特質系」になったのかもしれません。
コミックス10巻のクラピカ対ウボォーギン戦の回想シーンで、クラピカが緋の目になって特質系に変わったことでオーラの絶対量がかなり増えた、という描写がありました。
つまり、特質系の能力を持ってすれば、オーラの量を爆発的に増やしたり、強制的に肉体を成長することも可能であるのかもしれません。
ゴンの出生は謎に包まれています。
特質系は血筋や育った環境などによって発現する非常に特殊な念系統です。
そして、ゴンの犬並みの嗅覚や常人離れした身体能力や回復能力を考えると、ゴンは特殊な血統の子供である可能性が非常に高いです。
そのことから、ゴンが実は特質系だった、ということも有り得る話です。
しかし、この説にも一つ問題があって、ゴンの元々の念系統は強化系であるということです。
後天的に特質系に変わる可能性が高いのは六性図で隣り合っている「操作系」と「具現化系」です。
強化系は特質系から最も遠い場所に位置しています。
故に、強化系から特質系になるということが果たしてありえるのか?と言うのは疑問があります。
3.成長速度を強化した
ゴンの得意系統である強化系は、肉体の強靭さや攻撃力を強化するだけのものではないはずです。
ハンターハンターの物語の中ではあまり登場しませんが、例えばクラピカの親指の能力のように「自己治癒力の強化」のように、何か特殊なものを強化することも可能であるはずです。
そこで、ゴンが「ゴンさん」になるために強化系の能力で何を強化したのか?という話です。
考えられるのは成長速度を強化して自分の年齢を強制的に上げたという説です。
もしくは自分の肉体の時間の進む速度を強化したと言い換えてもいいかもしれません。
この考え方ならば、子供だったゴンが一気に大人になってしまったのも、髪の毛が長くなったことも、オーラの量が増えたことも納得出来ます。
しかし、「時間」という眼に見えないような概念をくつがえすような能力は、限りなく神がかった能力であると言えます。
故に、通常ではありえないような、とてつもない反動をゴンは背負うこととなってしまったと考えることが出来ます。
「成長速度の強化」、この説ならば一応辻褄は合っているように思います。
まとめ
漫画では何度となくゴンが「ゴンさん」になるシーンを読み返してきましたが、あらためてアニメ版のゴンさんを見てみると、とても切ない気持ちになりました。
アニメ版のハンターハンターも漫画に忠実でありながら、また違った印象を感じることができるところがおもしろいですね。
どのような方法だったにしても、ゴンは「ゴンさん」になってしまったことでとてつもない代償を払うこととなりました。
その代償の巨大さを直感で感じ取ったキルアが「ゴンッ」と叫んで、「黒子舞想(テレプシコーラ)」によって人形となったピトーにトドメをさすのを止めようとするシーンは何度見ても、すごい迫力でした。
しかし、キルアの気持ちやキメラ=アント編後にゴンのために奔走する姿を思うと、複雑な気持ちになります。
実際にゴンがどのような方法で強制的な成長をしてしまったのかはわかりません。
いつの日か、この件について語られる時が来るのかもわかりません。
しかし、特に何も理由や理屈がないとは考えにくいと思い、このような考察をしてみました。
ところで、アニメの放送と合わせてかわかりませんが、ゴンさんのフィギュアがプレミアムバンダイにて予約開始されましたね。
髪の毛だけで300㎜(!)を超える大きさなのだそうです。
アニメとこのフィギュアの画像を見ていたらちょっと欲しくなりました。