初心者でもポタアンは簡単に扱える!使用方法と使う意味について説明してみる

HA-11

(ポータブルヘッドホンアンプ)という言葉を聞いたことはありませんか?
最近では、街に出ると電車などでイヤホンやヘッドホンを付けて音楽を聞いている人をよく見かけます。
ポタアンとはiPodやウォークマンなどの持ち歩ける音楽再生機器と接続して、イヤホンやヘッドホンの音質を底上げして良くするためのアイテムです。

このちょっとマニアックな製品の存在は、すこし前までは本当にごく一部のマニア向けの製品というイメージでした。
しかし、ここ何年かの間のイヤホン・ヘッドホンの高性能化とブームに伴って一般に認知されてきたという印象があります。

そこで、「興味はあるけど使い方がよくわからない」「本当に使う意味あるの?」という人のためにポタアンの使い方や使う意味について書いていきたいと思います。

スポンサーリンク
ad1

ポータブルヘッドホンアンプとは

アンプとは

そもそも「アンプ」とはなんぞや?という話から始めたいと思います。

実はiPodやウォークマンにも小型のアンプが入っています。
イヤホンやヘッドホンをイヤホンジャックに挿して接続すると音がちゃんと出るのはアンプか搭載されているからです。

アンプというのは、音声信号を増幅するための装置です。
もともとはデジタルデータである音楽を、アナログの音声信号に変換して、その音声信号をアンプを通して増幅することで、初めてイヤホン・ヘッドホンから音が出るようになります。

手のひらに収まるくらい小さいiPodの中で、実は様々な工程を経て、僕たちは音楽を普通に聞くことができているというわけです。

イヤホンやヘッドホンを鳴らすためには小さい力でも可能なので、非常に小さいアンプ回路をiPodなどの小さい機械にも組み込むことができるのです。
HA-1

ポタアンとはポータブルヘッドホンアンプの略で、その名の通り持ち運びが可能なイヤホン・ヘッドホン用のアンプです。

ポタアンを使う意味

「iPodにアンプが入っているならポタアンを使う意味無いじゃん!」と思うかもしれないですが、実際のところその通りです。
普通に音楽を聞くだけならばポタアンを使う意味はありません。

しかし、イヤホンやヘッドホンでさらに「高音質」で音楽を聞きたいのならばなくてはならないものです。
ポタアンを使用して、いくつかの条件が合えばさらに良い音で音楽を聞くことができるようになるはずです。

iPodやウォークマンに組み込まれているアンプ回路に比べると、基本的にポタアンには良質な部品が使われています。
バッテリーも大きなものを使うことができるのでアンプを駆動するための電力もたくさん確保できます。

iPodやウォークマンに搭載されている小型のアンプ回路を通さないで、外付けの大きくてパワーの強いアンプを通すことでイヤホンやヘッドホンを高音質化できるのです。
ポタアン

機種によって音が変わる

ポタアンの魅力は製品によって音が違うという点です。
高音質化するという目的は同じですが味付けがそれぞれの機種で異なります。

製品によって、最終的に出てくる音が違うので、好みの音のものを選ぶことができるのが楽しいところでもあり、悩ましいところでもあります。

もっと自分に合っている良い物があるのではないかと気になって、いくつもポタアンやイヤホン・ヘッドホンを買ってしまうスパイラルにおちいってしまうこともあります。

また、金額的にも幅があって、高いものだと20万円をこえる製品も存在します。
もちろん高価なアンプの方が音は良いです。

上を見るときりがないので自分のお財布の中身と相談して選びましょう。

おすすめできるのは2万円〜7万円くらいの製品かなあと思います。
あまりにも安いポタアンだと効果を実感しにくいので、おすすめしにくいです。
アンプタワー

ポタアンの使い方

接続方法

ポタアンは基本的に「DOCKケーブル」という専用のケーブルを使ってiPodやウォークマンと接続します。
普段イヤホンやヘッドホンを挿すイヤホンジャックからも接続することは出来ますが、わざわざDOCKケーブルを使うのは、そのほうが音質が良くなるからです。
HA-11とSE-60i
使うときはこんなかんじでiPodやヘッドホンと接続します。
シリコンバンドを使って結束してiPodとポタアンを重ね合わせて持ち運ぶのが一般的です。

音声信号は、「iPod→DOCKケーブル→ポタアン→ヘッドホン」という順番で流れていきます。

DOCKケーブルからでてくる音声信号はiPodのアンプをスルーしてポタアンに流れていきます。
音声信号は2つ以上のアンプを通してしまうと、歪んだりして劣化すると言われています。
iPodに搭載されているアンプを通さないことで、ポタアンにピュアな状態の音声信号を送ることができるので、結果としてDOCKケーブル使う方が音質アップが期待できるということです。

ウォークマン(僕は持ってないですが…)にもウォークマン用のDOCKケーブルがあるので、それを使用してポタアンと接続することが出来ます。

ポタアンはiPodと重ねて使用するためなのか、iPodの大きさに合わせて設計されている場合が多いです。

追記:最近はiPod以外のポータブルプレイヤーが増えてきたので、そう言ったものに合わせてある事が多くなってきました。

ポタアン
こうして接続して重ねたものを並べてみると、ピッタリ同じくらいのサイズだということがわかります。

DOCKケーブル

DOCKケーブルはポタアンと接続して持ち歩きしやすくするために10㎝くらいの短いケーブルが多いです。
自作DOCKケーブル
DOCKケーブルはハンダ付けの技術があれば、この写真のようなケーブルを自作することも可能です。

接続用ケーブルとして販売されている製品では、安いものは2000円くらいから、高いもので25000円くらいのびっくりするくらい高額な製品まで存在しています。
使用している線材や構造によって音が変わるのですが、イヤホン・ヘッドホンやポタアンを変更した時よりも変化の度合いは少ないです。

最初はまず安いDOCKケーブルを購入して、使っていくうちに興味があれば、高級なケーブルや自作にも手を出してみると良いと思います。

さらに良い音を求めるには

イヤホン・ヘッドホンにもこだわろう

よく言われるのが、「ポタアンはつなげれば音質が良くなる魔法の箱ではない」ということです。

ポタアンはイヤホン・ヘッドホンの潜在能力を引き出すための道具です。
故に、もともと秘めている能力が少ないイヤホン・ヘッドホンにポタアンを使う意味はあまりありません。

例えば、100均で売っているイヤホンにポタアンを使っても101円くらいの音にしかならないかもしれないですが、10000円のイヤホンに使えば11000円くらいの音になるかもしれません。
音質を金額に例えるのはナンセンスですが、「高級=潜在能力が高い」という図式は一部を除いて当てはまると思います。

一概には言えないのですが、高価なイヤホン・ヘッドホンにはいわゆる「鳴らしにくい」製品が多いです。
ポタアンに接続しないでiPodに接続するだけではスカスカした音しか鳴らさないヘッドホンでも、ポタアンを接続するだけで見違えるように力強い音を鳴らす場合もあります。

例としてよく挙げられるのが、エティモティックリサーチというアメリカのメーカーの「ER-4S」というイヤホンです。
ER-4S
3段キノコとも呼ばれるちょっと変わったイヤーチップがトレードマークの抜群の遮音性が特徴のイヤホンです。
このイヤホンは鳴らしにくいことでも有名でiPodだけでは音質はおろか音量も満足に得ることができません。
このようなイヤホンを使用する場合はポタアンが必須です。

特に、ヘッドホンで室内での使用を想定されているような製品はポタアンや、さらにもっと駆動力の大きい据え置きのヘッドホンアンプを使わないと残念な音になってしまうケースが非常に多いです。

つまり、高い潜在能力を持っているイヤホン・ヘッドホンを使っている場合はポタアンを導入することを検討しても良いということです。

実際に試してみるまではポタアンが必要かどうか、満足できるかどうかは人によって違うので、予想しか出来ません。
これは、実際に試聴して判断するか、出来ない場合はインターネット上で情報収集して判断するしかありません。

圧縮音源

MP3やAACなど形式の圧縮音源はたくさんの曲を詰め込んで持ち歩くことができるので便利ですが、高音質で音楽鑑賞をするためには良いことではありません。
iPodであれば、iTunesの環境設定をいじって、可逆圧縮(無圧縮の状態に戻せるデータ)であるアップルロスレスや、全く圧縮しないWAVという形式でCDを読み込むことで音質改善をはかることが出来ます。

あまりにも小さく圧縮したデータでは、たとえ高級なポタアンを使って再生してもあまり高音質にならないばかりか、粗が気になって余計に悪く感じてしまうことがあります。
ポタアンの効果を最大限活かすためには、音楽データにもこだわることが大事だということです。

もちろん無圧縮や可逆圧縮の音楽データは、圧縮されたデータに比べて非常に大きいので、iPodやウォークマンの容量がいっぱいになってしまい持ち歩けない場合もあると思います。
その時は、自分が満足できる範囲で圧縮するか、曲を厳選するなどして工夫することが必要になります。

デジタル接続のポタアン

僕は残念ながら持っていないのですが、ここ2〜3年で登場し始めた、「iPodとデジタル接続が可能なポタアン」というものがあります。

そもそも、iPodなどの中にある音声ファイルは、0と1の羅列であるデジタルデータです。
これを人間が耳で聞ける状態にするには、デジタルデータである音声ファイルをアナログの音声信号に変換して、ポタアンなどで増幅してイヤホン・ヘッドホンに出力する必要があります。
デジタル接続ができるポタアンと言うのは、このデジタルデータをアナログに変換する作業を、iPodよりも高性能なポタアンの内部で行って、さらに高音質にしちゃおう!というすごいものなのです。

デジタル接続のポタアンを使えば、iPodはただのデータが入っている入れ物になるということです。

このようなポタアンとiPodを接続するには先ほど紹介したようなDOCKケーブルではなくて、iPodに付属している白いケーブルのようなUSB端子が付いているものを使います。

現在のApple製品はiPod Classic以外はデジタル出力しか出来ないライトニングコネクタに変更されています。
もちろんライトニングコネクタからデジタル接続可能なポタアンとつなげて普通に使うことが出来ます。(未対応の機種もあるかもしれません)

iPod Classic以外が全部ライトニングコネクタになってしまったおかげか、最近はデジタル接続が主流となりつつあるようにかんじます。

まとめ

僕がポタアンを初めて使い始めたのは学生時代でした。
その時は、イヤホンもポタアンも今となっては大したことのないものでしたが、当時の僕にとっては衝撃的でした。
ちょっと高いイヤホンとポタアンの組み合わせで、こんなにも良い音で音楽を楽しむことができるんだ…と感動したものです。

そして、気づいたらいつの間にかポタアンやイヤホン・ヘッドホンが増えてました(笑)
はい、完全にスパイラルにはまっています。

ポタアンは少し前までは限られた専門店や、海外のガレージメーカーでしか取り扱いのないようなマニアックな製品でした。
しかし、近年ではiPodの普及によるイヤホン・ヘッドホンのブームととも、オーディオマニアではない一般の人にも浸透してきたように思います。

2012年の10月に大企業であるソニーがiPodとデジタル接続ができる「PHA−1」というポタアンを発売してから、よりいっそうポタアンの認知度が上がったのではないでしょうか。
家電量販店に普通に置いてあるのは以前では考えられないことでした。

しかし、ポタアンを使ったことのない人にとってはポタアンは「よくわからないもの」であることには変わりないわけなので、こうして使い方などや使う意味について書いてみようと思いました。

伝えるべき情報が多いので、このブログの記事一つだけでは全てを伝えきれるわけではありません。
もしポタアンの購入を検討しているのならば、今は情報がインターネット上にあふれているので、自分で納得行くまで調べたり実際にお店に出向いて触ってみて選ぶことが大事だと思います。

スポンサーリンク
ad1
ad1

コメント

  1. 伊藤秀昭 より:

    三木さん へ

    知識のない私にも分かりやすく、大変為になりました。
    有意義で楽しいブログだと思いました。

    ありがとうございます。

    • Miki より:

      >伊藤秀昭さん

      コメントありがとうございます。
      そのように言っていただくと、すごく励みになります。
      これからもブログの更新、頑張っていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

伊藤秀昭 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です