「第17回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」は六本木の東京ミッドタウンの目と鼻の先、国立新美術館で開催されています。
昨日は友人の個展を見るために東京に訪れたわけなのですが、せっかく山梨から出てきたので、ちょうど昨日から始まった「第17回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」にも立ち寄ってみることにしました。
アートとエンターテインメントの祭典、第17回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展に行ってました
ついでのつもりだったのですが、刺激的でおもしろい作品が多く、観に行って良かったと思います。
文化庁メディア芸術祭とは
文化庁メディア芸術祭は、その名の通り文化庁が主催しているアートとエンターテインメントの祭典です。
1997年から毎年やっているイベントだそうです。
出品されている作品はそのジャンルによって各部門に分かれています。
- アート部門
- エンターテインメント部門
- アニメーション部門
- マンガ部門
以上の4つの部門から構成されています。
「メディア」というものは、人から人へ情報を伝えるためのツール、というような意味です。
「メディア芸術」とは、そう言ったメディアを用いた創作物全般のことをさすのではないかと思います。
かなり幅広いジャンルの作品が展示してありました。
受賞作品展は2月5日㈬〜2月16日㈰まで開催されています。
入場料は無料です。
展示会場
展示会場は仕切りの無い広々とした空間で、4つの部門は関係なく作品が展示されていました。
最初、展示会場に到着したときは、写真をとるのはダメかと思っていました。
でも、見ていると周りの人達が皆、パシャッパシャッと写真を撮っていたので、スタッフの人に聞いてみると、一部の作品を除いて写真を撮っても構わないとのことでした。
Facebookなどのネット上にアップするのも自由にして良いとのことだったので、ここぞとばかりにたくさん写真を撮ってきました。
気になった作品を写真で紹介
たくさんの作品があったので、とても全部は紹介出来ませんが、気になった作品をいくつか紹介したいと思います。
「 を超える為の余白」というタイトルが付けられた作品です。
下部にある装置から泡がボコボコボコと発生し続けていて、その泡が形を崩さないで上に向かって登っていきます。
よくこの仕組みを考えついたなあと驚きました。
今となっては廃れつつある旧式のメディア装置である、テープが5~7mくらい上から下へと落ちていくという作品です。
一番下まで降りてきたテープが重なりあって、まるで積層していくような模様に見えます。
ある程度まで、テープが溜まると、今度は高速でギュイーンとテープが巻き上げられると同時に、ラジカセで早回ししているようなオーケストラが大音量で流れます。
「時折織成 -落下する記録-」というタイトルのこの作品は、「時間」を再生したり高速でさかのぼったり、というような印象を受けました。
一人の人物の画像がプロジェクターで映しだされています。
画面の前にあるトラックボールをコロコロと動かすことで、写っている人物の視線を移動させる事ができます。
プラモデルやPCのパーツで構成されたジオラマのような作品です。
大きめの台の上に小さな単眼鏡が用意されています。
観客はその単眼鏡を使ってプラモデルを眺めることによって、作品を景色のように錯覚させて眺めることができます。
この作品はアート部門の大賞だそうです。
二本の黒い棒の先端に強力な磁石が取り付けられていて、振り子のように動き続けています。
磁石は地面に上向きで置いてあるブラウン管のモニターのすれすれのところを通るようになっています。
磁石が近づくと画面は歪み、それと同時にスピーカーからブォンブォンという音が鳴ります。
写真だとわかりにくいのですが、良く見ると白い皿の中央あたりに、小さな黒い虫のような物体が見えると思います。
この小さな虫は空中に小刻みにプルプルと振動しながら浮遊していて、レーザーポインターの動きについていこうとします。
どんな仕組みで動いているのかは僕にはさっぱりわかりませんでしたが、本当に生きている虫のように見えました。
まとめ
入場料は無料ですが、内容の濃い、おもしろい展覧会だったと思います。
会場の出口にアンケートがあって、そのなかの質問の一つに「入場料は無料と有料どちらが良いか?」という質問がありました。
僕は、展示のクオリティや費用の足しになるのならと有料でも良いと回答しました。
アートはとにかくお金がかかりますから、少しぐらい観客が還元しても良いのでは、というのが僕の個人的な意見です。
文化庁メディア芸術祭の出品者は年々増えているそうです。
この展覧会ような、アートを世間に認知してもらうというようなイベントが広まってくれるのは良いことだと思います。
一般的に「アート」というものが認知されればされるほど、作品を作る人間にとって住みやすい世界になるからです。
アンケートには有料でも良いと回答してしまいましたが、そういう意味で「無料」というのは良いのかもしれませんね。