ドイツの3大ヘッドホンメーカーの一つである、SENNHEISER(ゼンハイザー)のHD598というヘッドホンのレビューを書いていきたいと思います。
HD598は3年くらい前に購入してからというもの、ずっと使い続けているお気に入りのヘッドホンの一つです。
このヘッドホンは音楽はもちろんのこと、装着感が良く、長時間つけていても苦にならないので映画などを視聴するために使うのもお勧めです。
特徴的な薄い黄色と茶色のカラーリングがおしゃれなです。
SENNHEISERのヘッドホン、HD598のレビュー
プリンのような色のヘッドホン
この製品が発売されてから、さんざん言われていることなのですが、HD598は「プリンみたいな色のヘッドホン」です。
この特徴的なカラーリングは人によって好みが分かれると思うのですが、個人的には「あり」だと思います。
いや、「あり」だと思うようになりました。
毎日のようにこの美味しそうな?カラーリングのヘッドホンを使っているうちに愛着がでてきて、かわいく思えてきました。
基本的には室内で自分一人で楽しむのためのヘッドホンだと思うので、見た目はどうでもよいのかもしれません。
なので、HD598を装着して外を散歩したり電車に乗る勇気は僕にはありません。
でも実は、世の中にはいろんな人がいるなあと思った経験があります。
何年か前、池袋と秋葉原で1回づつ、HD598をつけている人を見かけて驚きました。
しかも、池袋で見たのは若い男性でしたが、彼女と思われる女の人と二人で歩いていたので余計にびっくりです。
美也ホン
HD598は開放型のヘッドホンです。
故に、遮音性は一切なくて、盛大に音漏れするので、本来であれば屋外で使うには向かないヘッドホンです。
前述した例のように、世の中にはいろんな価値観を持つ人がいるので、一概に言うことは出来ないですけどね。
最近では、アニメのキャラクターが実在するヘッドホンを装着して話題になることがあります。
人気アニメの「けいおん!」のキャラクターがAKGのK701を使っていた場面が放送されたのは有名な話です。
HD598も例外ではなく「アマガミ」というゲームのキャラクターがこのヘッドホンを装着して外を歩いている絵が公開されています。
もしかしたら「アマガミ」の影響で、外で使っている人もいるのかもしれませんね。
そのせいで一部では、HD598は「美也ホン」なんて呼ばれることもあります。
「アマガミ」はアニメも放送されていたので、それを観て買ってしまった人も多いのではないでしょうか。
環境を選ばない
HD598は、これを書いている時点での販売価格は2万円以上です。
僕が購入した時は1万8千円くらいでしたが、最近また値段が上がってしまいました。
かなり高額なヘッドホンですが、見た目とは裏腹に環境を選ばずに気軽に使うことができるのが良い所です。
ヘッドホンの高級機にはしっかりしたヘッドホンアンプを使わないと良い音が出ないものも多いのですが、HD598はiPodやPCに直で接続しても、そこそこ良い音質で鳴ってくれます。
もちろん、それなりに環境を整えてあげるとさらに良い音で音楽を聞くことができます。
しかし、iPod直でも音量が取れないとか言うことはなく、高価なアンプと接続しなくても十分に魅力的な音を奏でてくれます。
ヘッドホンの本体以外に無理に投資する必要性がないので、ある意味リーズナブルであると言えるのかもしれません。
また、HD598は圧縮された質の良くない音楽データでも、わりといい感じに聞かせてくれます。
限度はありますが、多くの曲を音楽的に豊かな印象で鳴らしてくれるので、Youtubeなどを視聴するために使うのもお勧めです。
装着感
SENNHEISERは世界で初めて開放型のヘッドホンを開発したことでも知られています。
HD598はそんな歴史あるヘッドホンメーカーである、SENNHEISERのヘッドホンの中でも特に装着感が良いとされています。
楕円形のイヤーパッドは、触ると気持ちのよいもふもふしたベロア調です。
イヤーカップの内部は深さがあるので耳の先端が触れることがないので痛みは全くありません。
実際に手にとって見てもらいたいポイントは、つける人によって自然にイヤーパッドの角度が変化するように計算され尽くしているという点です。
人間の頭の形は人によって全く違います。
HD598ならばほとんどの人の頭の形状に合うのではないでしょうか。
文章で伝えるのは難しいのですが、SENNHEISERの技術者の長年のヘッドホン作りがなせる技なのだと、HD598を購入して自宅でじっくりと眺めたり、装着した時に感動しました。
このヘッドホンは、適度な側圧と、ベロア調の柔らかいイヤーパッドと、絶妙な角度調整のおかげで重さが分散されて、長時間装着していてもストレスを感じにくいように設計されています。
音の傾向
HD598は開放型のヘッドホンとしては低音はよく出る方だと思います。
そこまで分厚い低音ではないですが、適度に厚みと重さを感じる、ある意味スッキリとした低音です。
低音の量は多いですが、開放型なのでこもっている感じはありません。
ぼわつかない質感の良い低音です。
一聴すると、低音部分が目立つように感じるのですが、高音部分も低音に邪魔されることなくしっかりと聞こえてきます。
女性ボーカルの曲を聴いても低音部分に埋もれることなく、曲全体が適度なバランスを保って聞こえてくるのは素晴らしいです。
音の傾向として、最も特徴的に感じるのは、全体的にまったりした雰囲気であるということです。
特に低音部分のスピードが遅めに感じます。
大抵のジャンルの音楽は、それなりに鳴らしてくれるオールマイティなヘッドホンではあるのですが、その部分が唯一の弱点です。
故に、激しいロックなどのスピード感と迫力が命!というような曲を聴くと、演奏が妙に遅く感じたり、低音が分離しきれなくて埋もれてしまうことがあります。
しかし、HD598のそのまったりした雰囲気は短所でもあり長所でもあります。
イヤホンと比べるのはナンセンスかもしれませんが、同じくSENNHEISERの「IE8」も、少しまったりしたところのあるイヤホンですが、HD598よりはスピードを感じるような気がしますね。
スピード感が早い曲は苦手ですが、逆にそれ以外のゆったりした曲には抜群に合います。
空間が適度に広く、のんびりとした落ち着ける音なので、聞き疲れしにくいヘッドホンだと思います。
リケーブル
HD598はリケーブルができるヘッドホンです。
最初から付属しているケーブルを取り外して別のケーブルを付け替えることが出来ます。
僕の所有しているHD598はオヤイデ電気の「HPC-35HD598 1.3m」というケーブルに交換してあります。
最初から付属しているケーブルは3mもあって長過ぎるのと、標準プラグだったのでポタアンと接続するときに変換プラグをかませなくてはならないのが面倒だったので、このケーブルを導入することを決めました。
リケーブルすると音質も少し変化します。
基本的な部分は変わりませんが、標準ケーブルのときよりも高音がよく出るようになり、低音のすっきり感が増したように感じます。
また、少し甘さがあって、ぼやけているように感じることがあった空間の処理もはっきりして音楽を聴きやすくなったと思います。
これは好みですが、リケーブルしたほうが取り回しの改善も見られるのでお勧めです。
映画鑑賞に最適!
HD598は音の傾向と、空間の広さと、装着感の良さのおかげで世の中にたくさんあるヘッドホンの中でも、映画などの鑑賞に最も向いているヘッドホンの一つです。
BGMと役者のセリフの違和感が少なくて、映画館で映画鑑賞するのに近い雰囲気で楽しむことが出来ます。
ヘッドホンで音を聴いている、という違和感を感じにくいのがすごく良いです。
特に低音がよく出るので、SF映画などを視聴すると非常に迫力があります。
実はこのヘッドホンを3年前に購入した、そもそもの動機は「ロード・オブ・ザ・リング」を良い音で観たいと思ったからだったりします。
僕はこの映画の大ファンでして、DVDを何回観ても飽きません。
壮大な中つ国の物語を感じるのにこれほど適したヘッドホンは無いと思います。
この映画は3部作で、1つ見るだけでも約3時間もかかるので、HD598のような装着感の良いヘッドホンがあるとストレスを感じなくて済みます。
本当は良いスピーカーで映画鑑賞をすることができれば一番良いのですが、夜はあまり大きな音を出せないので、そんな時にヘッドホンは便利です。
スピーカーよりも安いのも良いと思います。
まとめ
プリンのような独特なカラーリングのヘッドホンであるHD598ですが、正直言うと最初は「この色はどうなの?」と思っていました。
しかし、慣れとは恐ろしいもので、使っているうちに可愛く見えてきた気がします。
このヘッドホンは数あるヘッドホンの中でも装着感の良い部類に入るヘッドホンです。
装着感の良さと音質の良さの両方を兼ね備えている貴重な製品の1つです。
そして、環境を選ばずに性能を発揮できる点も魅力の一つです。
たとえiPodやPCのイヤホンジャックに直接挿したとしてもこのヘッドホンの良さは十分に感じることができると思います。
室内でゆったりと音楽や映画を楽しむためには最適なヘッドホンの一つです。
HD598は、これさえあればOKと思えるくらいのポテンシャルと汎用性を兼ね備えたヘッドホンだと思います。