昨日、「Reno Bicycle Experience 2014」に行ってきました。
Reno Bicycle(リノ・バイシクル)さんは、ゴミ同然のママチャリにデザインと改造を施して、機能的に、そしてかっこ良くリノベーション(再創造)するというコンセプトで活動をしています。
元々は壊れてしまった、ただのママチャリがこんなにも見違えるんだ!という新たな発見のできるおもしろい展覧会でした。
今までは捨てるしか無いと思っていたボロボロの自転車が再生されているのを目の当たりにして、「モノの価値」の意味というものを考えさせられました。
【自転車改造】「Reno Bicycle Experience 2014」ママチャリをリノベーション(再創造)する展覧会
展示は「HIGURE 17-15 cas contemporary art studio」にて、3/28~3/30の三日間行われています。
おしゃれなDM
谷中銀座の近くのギャラリー
展示会場は「HIGURE 17-15 cas contemporary art studio」という、日暮里や西日暮里から歩いて少しのところにあるギャラリーです。
近くに有名な観光スポットである谷中銀座がある場所です。
会場に到着したのは16時くらいでしたが、会場はお客さんでごった返していました。
リノ・バイシクル代表 宮城野さん
宮城野さんは僕の予備校時代の仲間で、つらい浪人時代を共に過ごして乗り越えてきました。
普段グラフィックデザインの仕事をしている宮城野さんは、本業の合間にリノ・バイシクルの活動を行っているそうです。
リノ・バイシクルとは
この自転車は宮城野さんが実際に普段使用しているものです。
リノ・バイシクルは使わなくなったママチャリを改造して、個性的なデザインでありながらしっかりと走ることができる自転車をリノベーションすることをコンセプトに宮城野さんがスタートさせたブランドです。
古いパーツを活かして、デザインをしなおして全く新しい別の自転車として生まれ変わらせる活動をしています。
めちゃくちゃかっこいいです。
元がママチャリとはとても思えません。
サドルの部分だけ見ても、非常にこだわっているのがよくわかります。
「Reno Bicycle Experience 2014」で展示されている自転車作品はそれぞれにオーナーさんがいて、普段実際に使われているものだそうです。
かっこいいだけでなく、機能的で実際に使用しても性能が良さそうなのが良いですね。
いかにもスピードが出そうな雰囲気です。
リノベーション
リノ・バイシクルさんのすごいところは元の素材であるママチャリの要素を残しつつも、必要ない部分を排除したり別の要素を付加して、新たな価値を創造している点です。
一見、わざわざママチャリを改造しなくても、新しくデザインして一から作ったほうが早いと思えるかもしれないですが、リノ・バイシクルさんの自転車の雰囲気や空気感は、それでは得ることが出来ないでしょう。
元々の価値が無い、もしくは持ち主が価値がないと判断した自転車にデザインとチューンナップを施すことで、新しい価値を生み出すというところにアート性があるのです。
リノ・バイシクルさんのリノベーションした自転車は、元となるママチャリの塗装は基本的には剥がしたり塗りなおしたりしていないようです。
「Reno」というロゴがかわいいですね。
ちょっと剥がれかけた塗装も味になっているように感じました。
すごくいい感じです。
洗練された造形美
展示を見ていて気づいたのは、宮城野さんによって手を加えられた一つ一つのパーツが実によく練られて配置されていることです。
例えば、ブレーキワイヤーの一つをとってみても、自転車の全体の造形とバランスがとれた、美しい弧を描いています。
自転車は本来は機能を持つただの道具ですが「Reno Bicycle Experience 2014」では、まるで彫刻やアート作品のような、別の視点で自転車を見つめなおすことが出来ました。
なんでも宮城野さんには自転車の師匠がいるそうです。
自転車の知識と技術的なことはそのお師匠さんに伝授してもらったものなのだそうです。
持ち主となる人に合わせて制作
ギャラリーの2階部分にも展示があります。
こちらの自転車はバーテンダーの方がオーナーなのだそうです。
ハンドル部分にウイスキーの蓋が取り付けられています。
こういう遊び心があるのを発見すると楽しいですね。
こちらの自転車の元となった自転車はママチャリではなく、子供用のマウンテンバイクです。
廃棄された自転車ではなく、依頼人の方が中学生時代に買ってもらったものだそうです。
もう、乗るのは恥ずかしいデザインと大きさであったマウンテンバイクが見違えたように洗練された形と機能性を取り戻すことができるのは驚きました。
まとめ
僕の予備校時代の仲間だった宮城野信太郎さんの主催するリノ・バイシクルの展覧会「Reno Bicycle Experience 2014」はママチャリをリノベーションするという内容の非常におもしろい展覧会でした。
元は壊れてしまったただのママチャリなのに彫刻的な美しさを持つ完成度の高い作品となってよみがえるのは興味深かったです。
視覚的な意味でも素晴らしいものでしたが、ゴミとして捨てられたモノに対する価値観というものも考えさせられる展示でした。
残念ながら、このブログを投稿してから30分後くらいに展示が終わってしまいますが、もし興味のある方で近くに住んでいる方がいましたら見て行っていただけたらと思います。
宮城野さんは、また来年も展示を企画しているとのことなので是非、次も見に行きたいですね。