久しぶりにiPodとポタアンを接続するためのDockケーブルを自作してみました。
今まで、たくさんのケーブルを作ってきましたが、やっぱりケーブルを作るのは楽しいですね。
ポータブルヘッドホンアンプとiPodを接続して、イヤホンやヘッドホンから出てくる音が微妙に変化するのを確認するのはわくわくします。
具体的な作り方などは他に詳しく紹介しているサイトがたくさんあるのでここでは省きますが、Dockケーブルを自作することができるようになるといろんな線材やハンダの種類による音質の変化を気軽に確認できるようになるのが魅力の一つです。
また、Dockケーブルはそれ自体が一つの作品と言って良いかもしれないくらいデザインがカッコ良いものが作れたりすることがあります。
数多くの種類が売っているプラグ、線材、熱収縮チューブなどを組み合わせて自分のオリジナルデザインのDockケーブルが出来上がるとそれだけで、音が良くなったような気がしてしまいます。
Dockケーブルの自作
ちょっと長めのケーブル
Dockケーブルというのは、iPodとポタアン(ポータブルヘッドホンアンプ)を接続するための短いケーブルのことです。
通常はお店で買ってくるものなのですが、ハンダ付けの技術と作り方がわかってしまえば誰にでもわりと簡単に作ることが出来ます。
Dockケーブルは通常だと長さが10㎝程度の短いものの方が便利なのですが、今回は30㎝ほどのちょっと長めのものを作ってみました。
このくらいの長さのケーブルの方がiPadとかを接続するときは便利なので、そのうち作ろうと思っていました。
使った線材は以前ケーブルを作った時に余っていたビスパの「BSC-8NSCOFA-CABLE」というものです。
8Nの無酸素銅にシルバーコートしたという、かなりの高音質を期待できる線材です。
ミニプラグとDockコネクタは先日東京に行った時にeイヤホンさんで買ってきたものです。
ミニプラグはちょっと高めだったけれどもエメラルドグリーンで文字が書いてあったりしてカッコ良かったので衝動買いしたものです。
自作用のDockコネクタはeイヤホンと同じく秋葉原に店舗があるオヤイデ電気さん製造のもの。
もちろん、オヤイデ電気の店舗にも売っていますが、eイヤホンでも仕入れているようで購入することが出来ます。
このiPodDockのパーツは小さな基板が入っていて、非常に作るのが楽なのが良い所です。
Dockケーブルを作るために必要な68kΩの抵抗も一緒に入っているので、他で調達する必要がありません。
なので、初めてのDockケーブル製作には良い製品だと思います。
- 線材
- Dockコネクタ
- ミニプラグ
基本的には以上のような材料がDockケーブルを作るためには必要です。
あ、それとハンダやハンダゴテも必要ですね。
ハンダはオヤイデ電気で以前買った「SS-47」というオーディオ用ハンダを使いました。
それと、熱収縮チューブやホットボンドなんかもあるといろいろ便利です。
一からケーブルを自作するための環境を整えるのは大変ですが、一度揃えてしまえば何度も繰り返し使うことができる材料や道具が多いので楽かもしれません。
iPodClassic用
僕がいつもポタアンをつなげるのに使っているのはiPodClassicです。
最近のApple製品はほとんどライトニングコネクタになってしまって、僕が作ったような30ピンのDockケーブルを使うことができるのは、現在も売っている中ではiPodClasscだけになってしまいました。
そんなiPodClasscも近い将来に製造が終了してしまうことがずっと噂されていますが、今のところ大丈夫みたいですね。
先日のWWDCでも特にiPodClassicに関しては情報がなかったのでホッとしているところです。
なにせ、iPodClassicが無くなったら、今まで作ったDockケーブルがつかえる機械がなくなってしまうので、非常にもったいないです。
また、160GBもの容量分の曲を入れることができるのは今のところiPodClassicだけなので僕は大好きなのですが、どうやら世間やAppleの流れはそれとは違う方向へ向かっているようですね。
ということで、僕はいつ無くなっても良いように2つのiPodClassicを持っていたりします。
2つのうち1つはまだ新しいので、例えば明日iPodClassicが無くなってももう何年かは戦えるはずです。
たくさん作った
Dockケーブルに話を戻します。
自分で言うのもなんですが、僕は今まで結構な数のケーブルを作ってきました。
今、数えてみたらDockケーブルだけで27本ありました。
人にあげてしまったり、ちょっと気に入らなくて作りなおしたものも何本かあったので、たぶん40本以上作ったんじゃないかと思います。
最近はあまり作っていなかったのですが、一時期は本当にDockケーブル製作にはまっていた時期があって、夜中とかにずっと作っていたりしました。
どうしてそんなに一生懸命になっていたのか自分でもよくわからないのですが、とにかく楽しかったので作り続けて、気づいたらすごい数になっていました。
Dockケーブルの魅力
もちろんお店で売っているものを買って使ってもいいのですが、評判の良いケーブルはびっくりするくらい高価だし、自作したものほど多くの種類を試すことが出来ません。
自分でケーブルを作ってみるとよく分かるのですが、Dockケーブルの自作は原価の割にかなりの手間がかかるので、かなり高額なのはある意味仕方ないかなと思う部分もあります。
でも、そんなにお金持ちではない自分にとってはやっぱり高いです。
僕も一番最初は、(中古ですが)QablesとかALOとかの高いDockケーブルを買ったのですが、今は処分してしまい手元にはありません。
ぶっちゃけ、自作したケーブルの方が音質が良いものがあるかもとも思っています。
もちろん、作り方や線材の種類によって良し悪しはあるのですが、自作ならばいろんな線材を試していくことができる柔軟さがあるので、中にはかなり音質の良い物も何本か作ることが出来ました。
音質の変化も魅力ですが、Dockケーブルのもう一つの魅力は「デザイン性」だったりすると思います。
売っているものでも、かなりかっこいいデザインのDockケーブルは売っています。
ポタアンを初めて手に入れた当時は、そういうケーブルにすごく憧れたりしました。
自作のケーブルでも、例えば線材の編み方を丁寧にしたり工夫したりするとけっこういい感じの見た目のケーブルが出来上がることがあります。
また、ミニプラグもいろんな形状のものがいろんなお店で販売されているので、秋葉原やインターネット上のショップでかっこいいミニプラグや線材を求めて徘徊するのはすごく楽しいです。
それと、カラフルな色の熱収縮チューブも使い方も工夫するとDockケーブルのデザインのちょっとしたポイントになって、急に可愛くなったりします。
Dockケーブルを自作するときはそんな風にデザインのかっこよさにもこだわって製作したいものです。
僕の職業柄な部分もあるのですが、音質だけでなく見た目も非常に気になってしまうところです。
意外な線材が高音質だったりするかも
この写真のDockケーブルは一見、オーディオ用の線材を使った普通のDockケーブルに見えると思うのですが、実は近所のホームセンターで買ってきた電話線で作りました。
ちょっとしたネタのつもりで作ったケーブルだったのですが、意外と音も良くてびっくりしました。
高音と低音はちょっと弱い気がしますが、クリアで聴きやすい音のケーブルです。
この電話線Dockケーブルは4本の線を被覆をむいて取り出して、4つ編みしてあるのですが、色も4色でカラフルな可愛い感じに仕上がりました。
このように、自分のオリジナルな線材を探して、その線材を使って自作してみると新たな発見があるかもしれません。
この電話線Dockケーブルを作ってみて、高級なオーディオ用ケーブルだけが高音質とは限らないということを実感しました。
まとめ
DockケーブルはポタアンとiPodを接続するためにはなくてはならないパーツの一つですが、自作すること自体も趣味として非常に楽しいです。
音質だけではなくデザイン性にも気を使って製作すると、(気のせいだけど)ちょっと音が良くなった気がしてきます。
オーディオというものは音質を追求する世界ですから、どうしても「見た目」という点への追求が弱くなりがちな世界ではあります。
もちろん、音質が最重要ということでも良いのですが、個人的にはどうせならかっこいいものを使いたいと思ってしまいます。
その方が所有感を満たすことができるし、その製品を長く愛することができるはずです。
Dockケーブルと言うのは、ポータブルオーディオにおいてユーザーが自分で作ることができる数少ない部品の一つです。
まあ、ネットを見ているとヘッドホンアンプやイヤホンなども自作されているすごい人が何人もいるようですが、気軽に自作できるという点ではケーブル系のパーツは一番だと思います。
自作ならば、デザインも自分の自由にすることができるので、せっかくならばかっこいいものを作って、iPodとポタアンを繋げたいなあと思ってしまいます。
また、たくさん数をこなして材料や作り方を変えて実験を繰り返すことで自分の好みの音質に近づけていくことができるのが魅力です。
約10㎝ほどの長さの短いケーブルですが、その中に様々な要素を詰め込んでDockケーブルを作るのです。
自分の中のこだわりを注ぎ込んで制作していくという意味で自作Dockケーブルというのは一つの小さな作品を言っても良いと思います。
そんなわけで、Dockケーブルはすごくアートだと思ったというわけです。