アメリカのKOSS社が製造、販売している「PORTAPRO」、通称「ポタプロ」というヘッドホンのレビューを書いていきたいと思います。
ポタプロは現在も販売されているヘッドホンの中では最も古くから販売されている製品の一つです。
そして、驚くべきことに発売から30年ほど経った今でも衰えない人気と性能を秘めたヘッドホンです。
ちゃちい見た目と反して、分厚い豊かな低音が特徴的で、ずっと聞いていても飽きない楽しい音を奏でてくれます。
金額も安く、今では3000円台の金額でも購入できるようです。
30年も前に発売されたけど、今もコスパ最高のヘッドホン、PORTAPRO(ポタプロ)のレビュー
超ロングセラーヘッドホン
ポタプロはアメリカのKOSS社で1984年に発売されました。
今からおよそ30年前のことです。
かなり古くから販売されているせいか、現在のヘッドホンの流行りとは違って、かなり小型の耳のせ型のヘッドホンであるにも関わらず、開放型のヘッドホンです。
現在では、ポータブルできる小型のヘッドホンは音漏れがしないように密閉型に設計されている場合が多いです。
故に、ポタプロは自宅で一人の時に使うか、外を散歩するときに使うのが良いと思います。
遮音性と音漏れ防止には全く期待できないヘッドホンです。
何回か屋外で装着している人を見かけたことはありますが、間違っても電車で使ってはいけません。
見た目と質感は値段なりで、どちらかと言うと安っぽいです。
しかし、そのしょぼい見た目からは想像できないくらいリッチな音を鳴らします。
プラグの形状が変わったりしてマイナーチェンジは行われているようですが、その音質の良さと価格の安さが超ロングセラーの秘密なのではないでしょうか。
折りたたんでポーチに入れることができる
ポタプロは写真のように折りたたんで付属のポーチに収納することが出来ます。
ヘッドバンドとドライバー部分の繋ぎ目を折り曲げて、ステンレス製のヘッドバンドの先端部分を引っ掛けるとこんなにも小さくすることが出来ます。
僕は、購入してしばらくはこの仕組みに気づかなかったのですが、この折りたたみ機構がわかった時は感動しました。
また、頭に装着してからこめかみ辺りにある摘みを操作すると側圧の調整をすることが出来ます。
装着してからでないと、このレバーのような摘みは調整することが出来ません。
これも、使い始めてすぐの時はよくわかりませんでした。
まあ、特に使わなくても装着感に不満は特にないですけどね。
耳のせ型のヘッドホンなので、長時間つけていると耳が痛くなってしまうことも多いですが、少し緩和できます。
抜けの良い迫力のある低音
ポタプロの音は、販売価格とちゃちい見た目からは想像できないほど、良い音がします。
特に、低音が分厚くて迫力があるのがすごく良いですね。
このヘッドホンのすごいところは、低価格で低音を売りにしたイヤホン・ヘッドホンにありがちな「音のこもり」が全くないところです。
低音が強いのに、抜けが良いので音楽を聴いていると非常に気持ちが良いです。
また、だからといって低音がぼやけているわけではなく、適度な締りがあります。
特に分離が良いというわけではないですが、音の数が多くスピードが早めの曲でも、そこそこベースラインを聞き分けることができるでしょう。
低音が強いだけのヘッドホンは他にたくさんありますが、ポタプロくらいの低音部分のレベルの高さで、安価なヘッドホンは少ないです。
これは、開放型であることの恩恵なのではないかと思います。
盛大に音漏れしてしまいますが、漏れても良い所で使えば良いだけの話なのです。
低音に埋もれることのない高音
低音部分の良さと量の多さが目立つポタプロですが、他の音域も、けして悪くはありません。
全体的に抜けの良い音なので、低音が強いけれども女性ボーカルなども埋もれることなく、聞き取ることができます。
むしろこの質の良い低音域は高音部分を引き立てていているようにも感じます。
したがって、低音の要素があまり無い曲も違和感なく普通に聞くことができるのですが、どこか物足りないです。
高音部分はそれ単体で聴くと普通ですが、低音と合わさることでより良く聞こえるのです。
低音と高音が入り乱れるような、ロックちっくな女性ボーカル曲を聞くのも楽しいと思います。
空間が広く感じるような音作りではないですが、狭い範囲でそれぞれの音の前後関係がわりとはっきり描き出されているので、低音と高音の強さと量が大きく違っても、聴きやすく、音楽的なバランスのとれた鳴り方をしてくれます。
したがって、大抵の曲はいい感じに聞くことができるでしょう。
合う曲
しかし、やはりポタプロの真価は低音です。
低音メインのインストゥルメンタルなんかを聴くと、低音がぶりぶりきて本当に楽しいです。
ダンスミュージックなんかもすごく合いますね。
個人的におすすめなのが、ゲームのバトルの時の音楽です。
特にボス戦の時のテーマなどを聴くと、重くて緊迫した雰囲気を感じ取ることが出来てすごく良いです。
低音がメインで、ノリが良い曲ならば大抵の曲は魅力的に聞かせてくれるでしょう。
環境を選ばない
ポタプロはあまり環境に左右されないヘッドホンだと思います。
僕は、いつもポタアン(ポータブルヘッドホンアンプ)とiPodを接続して音楽を聴いているのですが、そんな高価な機器を使わなくても十分に良い音で音楽を楽しむことが出来ます。
もちろん、環境に投資すればそれだけ良い音質になるような潜在能力を秘めたヘッドホンですが、このヘッドホンの良さはiPodやパソコンのイヤホンジャックにプラグを直接挿しこむだけでも十分に堪能することが出来ます。
最近では、Appleのリモコン付きのモデルも販売しているので、iPhoneで使用する予定の人はそちらを選ぶのもありだと思います。
また、圧縮音源でもそれなりに楽しく聞かせてくれるので、Youtubeなどを視聴する用途にもお勧めです。
どんな環境でも気軽に使用できるヘッドホンだと思います。
まとめ
実はうちにあるポタプロは2台目です。
前に持っていたのものは不注意で落として、パーツが折れてしまい壊れてしまいました。
何とか修理しようとしたのですが、上手く直せませんでした。
どうするか悩んだのですが、どうにもポタプロの音が忘れられず、東京に行った時に新しく買い直してしまいました。
まあ、安価な商品なので悩むよりも買ってしまった方が精神衛生上良いと思います。
発売してから30年もの間販売が続いている超ロングセラーなポタプロですが、実際に使ってみるとこれだけ長い期間人々に愛され続けている理由がよくわかります。
このコスパの良さと音は他に替えがきかないですからね。
ハマると「ポタプロ教」の信者になってしまうかもしれないくらい、とにかく楽しい音のヘッドホンです。
高級なヘッドホンほど音質が良いのは当たり前ですが、ポタプロはその常識をぶち壊してくれるような存在です。
環境を選ばず、気楽に使うことができるという点も魅力的です。
ポタプロは5000円以下でヘッドホンを探しているのならば、ベストな選択の一つだと思います。